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4話ー里帰り。波乱とためらいと死。

まず二人は祖国で海鮮丼を食べることにした。

有名なお店を検索で調べて、食べに行くことにした。

花海は言う。「おいしいね」と言い白金由理子は「えぇ…おいしいですわ」と言う。

白金由理子も花海も同郷だったので、家の近くまで行くことにした。

お互いの家の旧家を訊ねたり、二人で卜部恵海に会ったりした。

花海は卜部恵海に言う。「なんか、これが最後になりそうよね…」

卜部恵海は「どうしてそう思うの?」と花海に問い掛けた。

花海は「私の直感がそう言っている」と言う。

卜部恵海は「私は信じないよ…花海の直感とやらをね?」

花海は「そうなれば、良いのだけど…」と涙を流した。

卜部恵海は「また、会えると信じているから」と言う。

二人は別れて別の道を歩んでいく。

花海は警備をほっぽり出して、里帰りをしたことに罪悪感を覚えた。

花海はホテルで白金由理子に言う。「そろそろ帰るよ」

白金由理子は「えぇー。もうちょっと満喫してからに帰ろうよ…」と言う。

花海は「戻ったら、きっと警備で忙しくなるからね?早めに帰るよ」と言う。

白金由理子はしぶしぶ「分かったよ…」と言い帰りの飛行機を予約する。


二人は再び異国の地で魔物から村を守るために、一度、野良の魔物を討伐した村へ戻る。

しかし、その村は既に魔物に荒らされて滅んでしまっていた。

花海は明るく「次の町で稼ごう?」と言う。

白金由理子には分かった。

花海は明るく言っているけど、とても悲しそうな顔をしていることが。

白金由理子は何も言えなかった。


白金由理子はその事で思い悩んだ。

花海は次の町では小さい魔物を中心に討伐していく。


しかし、かつての花海の華々しい活躍を知っている人からは大きな魔物を倒してくれてと依頼がひっきりなしに入った。

花海の事情を知っている由理子は無理に大物を討伐しろなんて言わなかったし、生活水準が落ちても何も言わなかった。

しかし、魔物討伐の依頼は大物が圧倒的に多かった。

断り切れないくらいに、大きな魔物を討伐してほしいとの依頼ばかりが入る。

花海は由理子に「ねえ、再び大きい魔物を倒して良いの?」と訊く。

白金由理子は「まだ、やめておいた方が良いわ。だって治っていないもの」と言う。

花海は「そうね…そうよね…」と言ったが、かつての花海を知る人からは「何で、大物を退治しないの?」とか「早く、大物を倒してよね?」と心無い言葉ばかりが聞かれた。

その所為で、花海も大物退治へと重い腰を上げることになってしまう…。


白金由理子と能登花海は大きな魔物が潜む洞窟へ行く。

白金由理子は言う。「ここは近くに集落がないから、本気を出して倒しちゃって良いから」

能登花海は「事前調査ありがとう…」と言い奥へ奥へと足を進めた。

小さい魔物を倒しながら。

一歩一歩、大きな魔物の巣が近づいて居る気がした。

花海は警戒を強める。

その時だった。

「よくここまで、来られましたね…。お嬢さん」

見た目は普通の老紳士だった。

ただ、放つ妖気が尋常では無かった。

花海は言う。「あなたがここの主ね」

老紳士は「えぇ…そうですが…」と言い魔物本来の姿へ戻る。


花海は日本刀抜き、魔力で魔物の首を攻撃しようとする。

それでも、あの時。

警備を放り出して里帰りして、滅んだあの町を思い出してしまう。

その所為で隙がうまれたときだった。

妖怪は「隙有りぃいいいいい!!!!」と叫んで花海の足を狙う。

花海は辛うじて避けたので無事だった。

白金由理子は「ここは街が近くに無いから、もっと容赦なくて良いわ」と言う。

何度も魔物とぶつかり合う、花海。

しかし、頭によぎるのは滅んでしまったあの町。

白金由理子は「ためらいを捨てて!!!」と叫ぶ。

花海は「うらああああああああああああああ」と叫び魔物に日本刀を突き刺す。

それを引き抜いては何度も突き刺す。

しかし、魔物は倒れない。

「お嬢さん、疲れているならいっそ楽になったら?」と言い、魔物は花海の手を狙って攻撃をしてきた。

何とか花海はそれを避ける。

しかし、手の甲に切り傷が出来てしまった。

白金由理子は「大丈夫!????」と叫び能登花海に回復魔法を掛けた。

すると、手の傷はキレイに治った。

しかし、花海の体力は限界だった。

花海はイチかバチかの賭に出た。

花海は日本刀を置いて「もう降参だわ…」と言う。

魔物は「じゃあ、わたくしの言う事をきいてもらいましょう…まず、あなたは私の餌になってもらいましょう…」と言った。

その時だった、花海はポケットに忍ばせた銃に魔力を込めて弾丸を撃つ。

しかし、魔物は倒れない。

命中箇所まで完璧だったのに。

花海は「なんでなんでなんで!???」と言いながら銃を乱射する。

しかし、魔物は無傷だ。

そして、魔物は花海を魔法で突き刺した。

花海は「ぐはぁっ」と血を吐き地面に倒れる。

白金由理子は「花海さん!!!」と言い花海を介抱する。

花海は言う。「由理子さん…あなただけでも逃げてください…」

由理子は「そんなことは出来ないわ…」と言い、花海が持っていた日本刀を持って、魔物に襲いかかる。

魔物は「生意気な吸血鬼め」と言う。

白金由理子は「幾多の人を食ったお前に言われたくない!!!!」と言い魔物にトドメの一撃を加えて魔物を殺した。

白金由理子は涙を流す。

動かなくなった花海を抱えて、白金由理子は車まで戻った。

花海はもう冷たくなっていた。

白金由理子は花海を祖国に埋めてやりたいと、思ったが吸血鬼である以上、昼間一人で行動は出来ないし、何よりも遺体を持って飛行機に乗ることが叶わないと言う事は分かっていた。

白金由理子は泣きながら、花海のお墓を掘った。

そして由理子は花海の車に乗って旅に出ることにした。

能登花海の思い出とともに…。

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