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2ー助けを求める男の子と教え子の死

旅の途中、ふと花海は柊雪華に「そういえば雪華さんって魔法。使えるの?」と訊ねる。

柊雪華は「ちょっとだけ、使えます」と言う。

花海は近くに廃集落を見つける。

花海は廃集落に車を入れる。

雪華は「ここは魔物に焼かれた廃集落ですよ!?!?」と言う。

花海は「その魔物は昨日退治したから、問題ないよ?」と言った。

雪華はおそるおそる車から降りてきた。

魔物がいたと思わしき建物には何も居ない。

もぬけの空になっていた。

古い廃れた教会で、柊雪華に魔法の使い方のイロハを教える花海。

柊雪華は飲み込みが早く、すぐに教えたことをマスターしていった。


能登花海の携帯に電話が掛かってくる。

能登花海は電話を取る。

「魔物が出た」電話口の男性は慌てた様子でそう言う。

能登花海は「分かった、すぐ行きますから」と言って、白金由理子と柊雪華を車に乗せて、その男性の元へ向かうことにした。


能登花海は柊雪華に言う。「さぁ、実践練習よ」

柊雪華は「いきなり私ですか…」とためらいを滲ませた。


魔物が現れた場所に着くと、通報者の男性の家が派手に壊されて燃えていた。

柊雪華は「なんてこと…」と言いながら、魔法の杖を魔物に向けて振りかざす。

魔物の首がきれいに切断される。

魔物は即死だった。

能登花海は「お疲れさん。私の出番は無かったみたいね」と言い、柊雪華の頭を撫でる。

柊雪華は言う。「あれで良かったのですか…」

能登花海は「まぁ、私よりうまく切っていたし、魔物も苦しまずに死んだだろう。私の時より」と言って柊雪華を励ます。

能登花海は。「そろそろ、雪華さんも独り立ちをしても良いかもね…?」と言う。

柊雪華は「私はまだ…」と言う。

能登花海は「だって、もう教えること無いし…、早めに独り立ちしてもらってお互いに切磋琢磨したいしさ?」と言う。

柊雪華は「わかりました…」と言う。

能登花海は「これ、御守りだから持っておいて。いざという時に役立つと思うから」と言う。

そして、柊雪華は能登花海の車を降りて一人で旅に出た。



柊雪華は妖怪討伐師として、新聞に載るくらいの有名人になった。

白金由理子は新聞を見て言う。「あの子、ここまで有名になったのね。あなたとは大違い」

花海は「悪かったわね」と言い、夜の喫茶店でコーヒーを飲んだ。

花海はお金を払い、車に乗って再び東へ走り出す。

白金由理子は珍しく助手席に座っていた。

夜の道であった。

車の前に男の子が飛び出してきた。

花海は急ブレーキを踏む。

男の子をなんとか轢かずにすんだ花海はほっとする。

男の子は車のドアを開けて入ろうと必死にドアを叩く。

白金由理子は窓を開けて話を聞こうとするが、男の子はとても焦っていた。

仕方ないので、白金由理子は鍵を開けてその男の子を車に乗せた。

その男の子は「僕、人食い魔物に追われている!!」と言う。

能登花海は「その魔物はどこにいるの?」と男の子に尋ねる。

その男の子は「この奥の廃隧道の中にいる…」と左を指さす。

指さす方には、いかにも車が通って居なさそうな道があった。

花海は「SUVを買っておいて良かった」と言って廃道へ車を進ませた。

隧道の手前に新聞で見た見覚えのある車が放置されていた。

花海は「あの子。ここに来たみたいね」と言い警戒をしながら廃隧道へ入る。

花海は日本刀を構えながら廃隧道を一歩一歩奥へと進む。

魔物は言う。「おまえ、あいつよりうまそうだな?」

花海は「遺言はそれでいいからしら?」と言い、日本刀で魔物の心臓を刺す。

魔物は「うわ、何者!???」と言う。

花海は「私は妖怪討伐師よ!!」と言った。

魔物は最後の力を振り絞って言う。「お前の攻撃…あいつに似ている…。俺が最後に食べたあの女に…」

そう言うと、魔物は車の鍵と御守りを吐き出した。

花海は「その女性は私の教え子よ…」と言う。

魔物は「申し訳ないことをした…」と言いそのまま消滅した。

花海は御守りをしっかりと確認する。

それは花海が雪華に渡した御守りで間違いなかった。

花海はその場で泣き崩れた。

白金由理子は「早く出て、あの男の子に報告しましょ?」と言う。

能登花海は「分かりました」と言う。

花海は泣きながら隧道から出た。

男の子は「無事で良かったおねーちゃん!」と言い花海に駆け寄る。

花海は男の子を抱擁する。

ちょっと短くなってしまいましたが…。(1話の切るところを間違えた)

次回はちょっと別編になるので今回はここまでです。

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