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モブは普通の〈モブらしい〉生活を送れない  作者: 里道アルト
第一章 人間陰キャはやめれん
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昼食の時間です

 ようやく、長蛇の列を越え僕たちは食券を買うところまでたどり着いた。売り切れになっているものもあったが大概は残っていた。


 ちなみにカレーは売り切れだった。


「やっぱり、あんな人数で押し寄せるべきじゃなかったんだ」


「悠斗すっごい悲しい顔してるよ」


「いや、まぁ、適当に牛丼でも食べるか...」


「投げやりになってるよ」


「もう、いいかなって」


 実際は、そんなに悲しんではいないが、目に映ったとんカレーなるものを食べてみたかった。そう食べてみたかっただけだ。全然気にしてない。


「私は、焼肉定食、いやシーザーサラダ定食にしとこ」


 楓は、僕の顔色を伺ってそう言った。


「いや、そこ遠慮する所じゃないと思うけど...。僕気にしないよ?」


「ん、じゃあ、焼肉定食頼む」


 女子は、やっぱりそういう所気にするんだろうか?まぁ、僕も人前で食べ、た事さえないけど気持ちが分からなくもない。


 食券を手に持って、受付のおばちゃんに渡すと、代わりにあのフードコートとかによくあるピーピーなる機械と交換した。


 こんなところでお目にかかれるとは思わなかった。


 僕はそれを手に持ち、席を探しに入るが、どこも満タン。食事をし終えても、そこに居座る生徒もいるらしく、先生も手を焼いているようだ。


「どこに行ってるんだ悠斗?こっちだよ」


 僕の後から来た楓は、こっちと指を指し、まぁ、嫌な予感していたが見事的中。


 前の方にいた楓の友達二人とかち合う形になってしまった。


 また、他人からの目線が気になりすぎる状態に陥った僕は、楓に言われるがまま席に着くことになった。


 席がないのだから仕方ない。そう思うことにした。というか、実際に僕の前で食べるつもりだったから気にしていたのか?てっきり他人に見られるのが嫌だからだと思っていたのに。


「おっ先ー。私らの方が早かったんだな」


「お先です。席が取れて本当に良かったです。なかなか来なかったので先に注文しちゃいました」


 如月はサンドウィッチを夜野はサラダ定食をそれぞれ口にしていた。普通に美味しそうだ。


「いや、ごめん。結構人の波にもまれちゃってね」


 そういや、楓はあんな一瞬で作った友達にそれはそれは親しまれているようだけどこんな風に席を取っといてもらえるほど信用されてるんだな。なんだか、感心感心だ。


「まぁ、灰羽と一緒に来ることは分かってたけどね」


「同席してもよかったのか?」


「全然大丈夫ですよ。むしろ、話そうって、待ってたところです」


「そんな話にできるような面白いことなんかないんだけどなぁ」


「ま、楽にしゃべろうよ」


 ほんと、どうして僕なんかにかまってくれるんだろ。楓とずっと喋って、僕がいることを気にしないでおけばいいのに。そうすれば、僕も周りの目を気にしなくてもいいし、彼女たちだってさらに仲が深まると思うんだけど。そんなことを思って彼女たちの話を聞いていると、ピピピという電子音が何回かに分けて鳴った。


「じゃあ、ちょっと貰いに行ってくるよ」


「私も、ちょっと行ってくる」


 そう言って、僕と楓は席を離れ、料理を取りに行く。


「ちょっとは慣れた?」


 僕がおぼんを持とうとしたとき、楓はそう尋ねてきた。それは何に対してだろう、心当たりが多すぎて分からないが、まぁ僕の返答は変わらない。


「全然慣れないよ」


 至極まっとうに僕は思ったことをそのまま伝えた。その返答は決して面白くないはずだったが、楓の頬は完全に緩み、また悪い笑みをこぼしている気がした。



 戻って、食べた牛丼は思いのほか辛口で、ご飯が滅茶苦茶進んだ。結果、白ご飯だけがなくなるという事態に陥り、如月はものすごく笑い、夜野も笑いを隠せずにいた。


 その代わり、楓は真剣に焼肉定食を口に運んでおり、いじってくることはなかった(奇跡だと思った)。







日に日に書く分量とクォリティーが下がってきている里道アルトです。一日100pvを目指しているならせめてクォリティー上げろって言われそうで冷や冷やしていますが、その日暮らしのアリエッティ(物書き)な僕には毎日投稿の難易度が高かそうなので少しだけ許してください。毎日投稿は続けるので。

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― 新着の感想 ―
[一言] 興味深く拝読させていただきました。毎日更新されているとの旨に惹かれて、ページを開かせていただきました。キャラクター小説であり、ボーイミーツガール系として展開を進まれているように読ませていただ…
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