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モブは普通の〈モブらしい〉生活を送れない  作者: 里道アルト
第四章 警告
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悪魔が見える悪夢

 授業はあと二時間で終わり。そんな所まで来ていた。次の次の授業はHRだし、実質授業はあと一つだけだ。


 何?何をそんなに嫌がってるだって?それはな...


「じゃあ始めるわよん♪♪はい、みんな立って立ってぇ」


 この口調から何から何まで変わってしまっている変態を目に入れるのがすでにもう嫌だということなんだよ。


 本当二度と現れて欲しくないと思うが、物理担当の先生であるため、物理があるならほぼ一〇〇パーセント出会う。保健室に逃げ込みたい気分だが、先生が毒なのでという理由ではきっと開けてもらえないだろう。


 なんたる悲劇だ。こんなふざけた時間が一時間もあるなんて信じられない。目に毒な先生に対しては、先生の方を見ずに黒板だけ見て急いで書けばいい。(顔が見える前に...が難解だができないことではない)

 声が毒な先生に対しては耳栓して授業を受ければいい。(気付かれたらそれなりに小言と嫌味をもらうだろうが)


 だが、どっちもダメだった場合、どうすればいいか。どっちも対策すればいいと思うかもしれないが、授業が全く分からずに進むことは間違いない。それは別に俺は気にしないが、テストで死ぬことを意味する。


 そうテストで死ぬこと自体は気にはしないが、テス勉会を開くであろう楓たちに俺が物理が全然分からないから迷惑がかかるということになるというのは大問題だ。それは避けたい案件だ。


 というか、多分どっちにしろ対策をしてもその対策が先生に気付かれるだろうから最初から作戦は破綻している。


 まぁ、愚痴愚痴言ってみたものの根本から問題を解決するためにはオネエ先生をなんとかして正気に戻させ、女装と口調を補正しない限りは俺にはどうしようもない。


 なんだよそれ不可能じゃないか。無理だよ。なくすにしたって個性濃すぎるよ。


「悠斗、悠斗ってば」


「はっ、何が?伊波さん??」


 僕は自分の考えにハマって周りの声が全然聞こえてこなかった。どれくらい経ってるんだと思って時計を見るとまだ授業は一〇分しか経っていないらしい。


 なんだよ、せっかく誤魔化していたというのに。真剣に先生の対策をしようとしているのは悪いか?


 そう思って楓に声をかけようとすると、


「あんらぁ〜♪♪ようやく反応があったわねぇん♡私のこと見えてるかしらん??♡♡」


 目の前にとんでもホラーがいて、一瞬吐きかけたが、すんでの所で僕は抑えた。僕はコクコクと頷き、丁重に彼(彼女?)には帰って頂いた。


 顔面ドアップ、ボリュームMAXとかいや、とんでもない。ただでさえ一つの授業で耐えられないのに、今日はオネエ成分を必要の一二〇パーセントを取り入れた感じだ。とてもじゃないが、もう考えに耽る気持ちにはならなかった。


「だから、言ったのに」


 と隣から聞こえてきた気がしたが、僕は聞こえなかったことにした。


こういう夢を見ます。

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