彼女はそのジャンルに手を出しました
「ねぇねぇ、悠斗聞いてる?」
僕は重くなる頭をそのまま机に臥していた。何とは言わないが、途中で気を失ってそのまま死んでしまっていたのだ。
というか中学の時も僕の普通はこうだったのだが、最近が騒がしいのである。まぁもちろんいい意味でなんだけど...。
「うがー、なんだって?」
「今から悠斗が考えてることを当てげよっか」
「へ?」
僕は話の展開が分からなさすぎて、伏していた顔をバァっと上げた。
楓はこめかみに手を当て始めて、なんか始まった。というか考えてることを当てるって言ったって、...いや見たまんま眠たいんだけど。
「エロい事」
一瞬で頭がフリーズする。なんだこれは。何を期待してる?僕は何を言えばいいんだ?何言ってもいじられる気がするんだけど...。
でも、この流れどっかで見たことあるな。確か、あれは
「え、エスパーかよ?」
そうどっかの漫画のネタだった気がする。確か、こう答えてだと思うんだけど...。
毎週色んな無料漫画を読破してるせいで全くタイトルは残ってないけれど、なんか印象に残ってるシーンなんだよな。
「そう、それ!さっすが!悠斗なら絶対わかると思ってたよ」
楓は話が分かる人に会えたという感じでぱっと両手を合わした。
「まぁ、何の漫画だったかまでは僕も覚えていないんだけど」
楓は称賛してくれたが僕は、その作品名を覚えていなかったから、なんだかいたたまれない気持ちになった。
正直楓でも知ってる漫画のタイトルが出てこないのは悔しい。ヲタクほどでなくとも楓達よりは多少知識はあると思っていたがそうでもなかったらしい。
「『ツンチル』だよ。高校生の恋愛おもしろおかしく書いてて、一回ぐらい私もこういうのやってみたいなーって思うやつよ!」
すごい熱意で僕の方に迫ってきた。
「へ、へぇーそうなんだ」
「そうなのです。イチオシはさっきのネタをやっていたこのカップル中野と飯塚ペア」
「へぇ、これって確か一話一話別の人が主人公なんだよな」
「本買ってるからペアで流れを見るのが私にとっては良きだった」
そんな『ツンチル』に思いを馳せる楓はなんだか楽しそうで漫画をプロデュースするオタクと化してる気もした。
『ツンチル』か。確かにそんなタイトルだったな。面白いのにお気に入りに入れるを忘れてた。
この後も楓が『ツンチル』の良さを長々と語り、もはや『ツンチル』教信者のようであったが、僕は楓のプレゼンが上手すぎてますます読みたくなった。もはや、読んでもないのに信者になりかける事態だった。
前面工事予定なのでお楽しみに!




