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モブは普通の〈モブらしい〉生活を送れない  作者: 里道アルト
第四章 警告
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四人で食べよう

「悠斗、今日もここで食べるの?」


 楓はそう聞いてきた。まぁ、学食に行ってもいいが、今日も弁当は作ってくれてるしわざわざ学食まで移動して食べるのは正直面倒臭い。だが、そんな事を聞いてきた理由も気になるので


「なんで?」


 と僕は逆に問いかけてみた。すると、楓の後ろから夜野さんと如月さんがひょっこり現れ、


「一緒にご飯食べない?」


 と言ってきた。なるほど、みんなで食べようというお誘いらしい。まぁ、今日は特に教室食べなくてはならないという理由もないから、僕は立ち上がり少し面倒だと思ったが、


「あぁ、行くよ」


 とぶっきらぼうにそう返事を返した。僕と楓は二人に連れられるまま、食事を取れる場所を探した。


 そして、テーブルこそないがいい感じの場所を見つけたのでそこで食べることになった。


 あんまり膝がぐらぐらすると食べにくいが、ちょうどよく足が踏ん張れるくらいの足高だったので本当に良かった。楓は隣に弁当を置いて食べることにしたらしい。


 こんな簡単に食事を取れるところを探せるなんて盲点だった。夏はコンクリが熱くなって仕方ないだろうが春なので心地よい風と少し暖かいコンクリートが体によく馴染んだ。


 夜野さんと如月さんは学食の方に向かっていき、僕と楓は二人きりで帰りを待つお留守番的な役割になった。


「こんないい場所があるんだね。外に出たくないから全然知らなかった」


「まぁ教室で食べるのはいいんだけど、たまには気分転換もね」


 と楓は言う。確かに最近は割と外に出てもいいかなと思っているからこれを機に外に出られるようになってもいいかもしれない。いい場所もあるみたいだし。


「そーだな。外にもいい所はあるみたいだし」


「悠斗がそう言ってくれるならこれからも外で食べない?」


 楓はそう提案してきた。輝く目に何故か断ることはできず、


「ん、分かった」


 としぶしぶ同意した。(と言っても嫌々とかではなく、純粋にまぁそれでもいいかという感じである。)


 帰ってきた如月さんや夜野さんにも楓はその旨を伝え僕達はようやく昼食に取りかかった。僕のはあいも変わらず残りものを詰め合わせた残りもの弁当だったが、楓のとこのやつは今日も綺麗に整えられているようだった。


 そういえば、誰が作っているんだろう。この前は、なんだかはぐらかされてしまったけど、今日は答えてくれるだろうか?そんなことを考えているとその答えは意外なところから来た。


「そういえば、楓の家って昼食って確か従妹のお姉ちゃんが作ってるんだっけ?確か大学近いからって理由で居候してるんだっけ?」


「うん、いつも自分もいるからって弁当作ってくれるんだよね~」


「いいよな、ほんと、私の家なら多分面倒くさいって言って絶対作ってもらえない自信あるわ」


「うんまぁね」


 初耳だった。楓のお姉ちゃん居候してるんだ!!



恒例のお昼回

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