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モブは普通の〈モブらしい〉生活を送れない  作者: 里道アルト
第一章 人間陰キャはやめれん
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お昼を食べよう

お昼を食べるまでの道のりを超簡易ダイジェストでお送りします

 お昼は全員学食で食べることになっており、お金を持ってない人も今日は全メニューただという太っ腹な学校の対応によって、お昼に困る人はいないように配慮された。


「普段は弁当持って来ようと思っているから、今日は食べれるだけ食べ回ろう」


「ただなんだっけ?全然金持ってきてないから良かった〜」


「実はそんな中、お弁当を持参している猛者が一人。私」


 生徒の多くが一つの場所に向かっているため、廊下はとても混みあっており、かくいう僕もその一人だったりした。


「全然、先が見えねぇ。教室出たばっかりだぞ」


 一クラスごとの移動とかそんなもんは全然無かった。ただただ人が溢れかえっていた。


 そんな中後ろからひょっこり顔を出てきた楓は、人をかきわけるようにして灰羽の隣にきた。


「ふぅ、大変だった。順番抜かしなんてするもんじゃないね」


「まだ、その地点にもたどり着いてないんだけど」


 順番どうのこうのの問題じゃない。平等とか謳っていっせいのーでで全員が教室から出たからこんなことになってるんだ。


「ちゃんとあるのか?在庫足りないじゃ許されないぞ」


「分からないけど、こうなることは想定済みであって欲しいと願うよ」


 余裕のない顔で、楓は僕の腕を掴む。流されないようにするためだろうか?


「伊波さん。ちょっと、僕も引かれてるんですけど」


「運命共同体、死ぬ時は一緒だろう?」


 食べれないってオチはいやだが、相手が女子である以上振りほどく訳にも行かない。大人しく捕まっておくしかないんだ。


「離しては、、、くれそうにないな」


「ありがとう、悠斗。助かるよ」


「あの、いいかげん灰羽って呼んでもらえないだろうか。ちょっとむず痒いんだけど」


「これからも、名前で呼ぶよ、悠斗くん」


「え、なんかやだぁ」


 彼女は僕の袖を掴んだまま、たまに、人の波に入り、立てなくなりそうになりながら、僕もそれに引っ張られてごっちゃごちゃして大変だった。


 昼休みは特別、一時間延長するというアナウンスが流れ、ほんの少し混みがマシになってきた。ようやく、列も整備され僕の後ろに楓が来た。


「はぁぁ、やっと飯が食べれる〜」


「そうだね、お腹ペコペコだよ」


「嵐が川になった感じするわー」


「分かる!!」


 楓とこんなに意見が合うのは初めてかもしれない。長い昼休みを共にしたこともあってか、灰羽は楓と普通に話していた。


「そういや、伊波さんは何か好きな食べ物あったりする?」


「うーん。私はオムライス結構好きだよ。悠斗は?」


「カレーだな」


「すごい、即答だな」


「やっぱ、男子はカレー一択じゃね」


「あと、すごい偏見。じゃあ嫌いな食べ物は?」


「梅干し。親がたまに出てくるんだけど、まじ食べれない。あれは人間の食べれるものじゃないと思う」


「ふーん。ちなみに私は納豆食べれない」


「ま、好き嫌い激しいからな、食べれない人は食べれないよな」


「そういう悠斗は食べれるって感じだね」


「ま、普通に食べれるな」


「へぇ〜すごいな。私もその舌欲しい!」


「梅干し食べれなくなるぞー」


「えぇ〜それは嫌だな」


 うん?あれ!?めっちゃ普通に喋れてる。今まで主導権あっちに奪われてたのに?あれ?もしかして、僕すごい...


「なるほどね。好きな食べ物はカレー、嫌いな食べ物は梅干しっと」


「え?なんで、メモ帳開いてそんなこと書いてるの?」


「ほら、悠斗自分の情報喋ってくれたから、ノートにでも取っとこうかなって」


「え、もしかして泳がされてた?」


「そんなつもりないしー。悠斗が勝手に饒舌になっただけですー」


 頬を膨らませ、楓はそう言った。半分僕の思っていることが当たっているのかもしれない。まぁ、なんにせよ普通に話せたのはここまでだった。


 そこからは、楓に一方的にいじられる構図へと変わり再び楓が会話の主導権を握ったことは言うまでもない。




こんばんは里道アルトです。毎日投稿途切れてしまい申し訳ありません。ちょっと外せない用事があったので、そちらを優先してしまいました。これからも毎日投稿(仮)を続けていくつもりなので読んでいただけると嬉しいです。一日100pv目指して頑張っていきます

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