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モブは普通の〈モブらしい〉生活を送れない  作者: 里道アルト
第四章 警告
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社会の先生会議

「では、お疲れ様でした」


「お疲れ様です」


 辛そうな化学の先生一人二役授業は幕を下ろし、先生は喉を押さえながら教室を出て行った。


 先生が去ると、先程までの気まずい空気感がどこかに消えていって、みんな普通に話し始めた。


 確か次は社会。新しい先生が来るからそれが楽しみというのもあるのだろうが、このクラスに関わる先生方はみんな個性がすごいので僕はもうお腹いっぱいいっぱいである。今度こそ普通の人でと思いたいが多分この調子だとまたどこで拾ってきたか分からない個性ある先生が来るのは間違いない。


 楓達は授業が終わるとすぐに社会の先生はどんな個性持ちかの話し合いが始まっていた。


 ちなみに僕も参加を強制されてこの話し合いを聞くことになった。


「今度はどんな先生かな!?」


「授業に影響が出ない人がいいですね」


「このクラスの先生は皆変な個性があるけど、授業自体は真面目そのものだから大丈夫だと思うけど」


「いや、手のひら返しがあるかも。もう、その一時間全部休み時間とか」


「それはぬめが望んでるだけですよ...」


「休みだったとしてもどうせ遊べないと思うけど...。自習になって、厳しい監督の先生がついて勉強強制。ありえそう」


 楓は腕を組んで頷く。


「ぐえっ、それは最悪だ」


 と如月さんはあからさまに嫌そうに声をあげた。


 やっぱり普通という選択肢はないらしい。どこか個性がないと先生という役職は務まらないのだろうか?


 僕は思わず


「まともな人がいいな」


 と呟いていた。


「「「残念だけどそれは絶対にない」」」


 そして、三人に声を揃えて否定された。これほどピタリと揃うと悲しいったらありゃしなかった。


「普通」という選択肢が消えたことで僕の希望は潰えているが、話し合いはまだ続いた。


「そもそも男か女かですよ」


 という夜野さんの質問に


「いや男でしょ」


「うん、多分男だな。で、多分ぽっちゃりしてる」


 と楓と如月さんは答えた。


「ぽっちゃりって...それ楓ちゃんの感想ですよね。ちゃんとした推測じゃないじゃないですか」


「いや、私の頭の中でも浮かんだね。多分、筋肉質だね」


「いや、だからそれはぬめちゃんの感想じゃないですか??」


 楓と如月さんがボケ、ツッコミ夜野さんという二対一で夜野さん心労が半端じゃなさそうだな、と思いながら、腕を突き聞いていると


「ま、力むなよ芽衣。気楽に考えよ」


 と自分は至極まともですと主張するように楓は夜野さんを落ち着けた。


「は、確かに知りもしない見たことない先生の特徴なんて、推測しようにもできない。なんっで私仕切ろうとしてたの?」


 と夜野さんも正気に戻ったが、いやこの会議を開こうとしていること自体おかしいんだぜ、ということには気づかない。


「大丈夫、気にしてないよ〜」


 そんな感じで授業が始まるまでこの会議は続いたとか...。

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