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モブは普通の〈モブらしい〉生活を送れない  作者: 里道アルト
第三章 勉強会
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夢オチ

 なんだか周りが騒がしい。こんなに騒々しいとはいったい何事なんだ?


 僕はなぜか開きにくい瞳を無理矢理こじ開けて、瞳の外の世界を見る。明るいフラッシュバックが目の中に入ってくる。眩しすぎて目線を落とすと手元は暗く見えづらい。


 普通に生きていてこんな明暗の違いなんてあるだろうか?いや、ない。ここは多分どこかの会場だ。しかし、一体なんの?


 いぃぃぃぃぃぃぃえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい


 周りがそう叫ぶ、気付いたら目がだんだん閉じてきたため、その瞬間の周りの顔が見えない。ただ、この盛り上がりよう、多分なんかのライブだ。


 僕は瞬時にそれが分かった。そして、これが夢だというのも。


 親に連れられ、昔はライブというものに何回か行ったのを覚えている。人がぎゅうぎゅう詰めになっていて、本当に身動きも取れないし、そもそも歌っている人の顔も全然見えなくて、でもなんか雰囲気に飲み込まれ、ひたすら楽しんでた。かなり幼かったので自分から母親の手を握りしめてたっけな。


 そんなことを思い出し、自分の右手に意識を集中してみると、僕は誰かの手を握っていた。それも自分の指と相手の指を交差して繋ぐ、たしか恋人つなぎとか名付けられてるやつだ。


 一向に自分の目が開く気配がないから誰の手を握っているのか僕自身分からない。でも、がっしり掴んでいて離す気がないんだなというのは何となく分かった。


 うん、本当にあの眩しい光を見ただけで僕の目はそれ以上に何も映さなくて、耳だけが正常に動いていて周りの音を拾っている。


『さぁ、日本に私達phyniaがやってきたぜ、なぁなぁ、みんな盛り上がってるかぁぁぁァァァ』


『『『うえええぇぇぇぇい』』』


『それじゃ、一曲め、いくぜぇぇぇぇェェェFHINIA』


「始まる」


 僕の耳元で周りが盛り上がっている中小さな声が一つ聞こえた。誰の声だろう?知ってる気がするんだけど。


『〜〜〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜♪〜〜♪〜♪〜♪』


 歌詞までは聞き取れないがどこか落ち着くような、それでいて激しいロックが僕の耳の中に入ってくる。


 控えめに言って、僕が大好きなやつだ。本当にこのバンドがあるなら一回調べて他の曲を聞いてみたいと思うほどに。


 何曲か流れた、もう多分結構な時間になってきたのではないか?僕は一向に隣の人の手を握ってるし、休憩時間とかなくぶっ通しでずっとメロディーが頭の中で旋律してるおかしな状況で時間感覚とかは一切通用しないが、なんとなく次の一曲で終わる気がした。


『みんな、最後まで聞いてくれてありがとうぅぅぅゥゥゥゥ。最後に、ここ日本で新曲を披露するぜ、聞いてくれ、○○○○○○』


 これで終わるとは思えない迫力のある始まり、......一瞬開いた目が映したのは、.....。


 そんないい所で僕は目を覚ました。



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