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モブは普通の〈モブらしい〉生活を送れない  作者: 里道アルト
第三章 勉強会
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オマケ 勉強会の始まり

だいぶ少なめのおまけです。

「私、勉強わかんない!」


 それは唐突にぬめから発せられた言葉だった。私たちは普通にパフェを食べている所だったからぬめの全然関係ない突然の告白に驚いてしまった。私は、アイスが喉に詰まって少し咳いた。


「と、突然何?」


「いや、私勉強できないみたいなんだ」


「そりゃ、あんなことあったんだから当然ですよ。不登校だったわけですし」


 ぬめと私の出会いを聞いている芽衣は普通に考えてそうなるとぬめを励ました。いや、違うくて私からすれば、今パフェ食べてる時にする話じゃないよねって話なんだけど。


「全然分からないんだ。この小学生九九ってやつ。まじ分からん」


「...?小学生の所から分からないってこと?」


 私は思わず聞いてしまった。もう私達は中学三年生、来年には高校に入る年だっていうのに確かに小学生内容を理解していないのは致命的かもしれない。


「いんいちがいち、いんにがに的なやつですか?」


 芽衣は熱心に積極的に聞いている。いや、九九ってそれしかないと思う。


「そう、それ。三の段から言えないんだよ」


「さんいちが」


「三」


「さんにが」


「七」


「さざんが」


「一二」


 芽衣はとうとう頭を抱えてしまった。少し芽衣が可哀想に思える。ぬめが真剣にやっているのは分かるのだが、だからこそなお悪いというやつだ。


「ぬめ、数学だけ小学生内容分からないの?」


 私はぬめの顔を見てそう聞く。ぬめは私と目を合わそうとしないからまぁそういうことなんだろう。


「いや、だから勉強わかんないんだって」


「それで、中二の中間どう乗り切ったんだ?」


「記号だけ埋めた」


 ぬめは正直にそう告げた。そう言えば、ぬめからはテストを見せてもらったことがない気がする。まぁテストなんか見せ合うものじゃないと私は思っているからそれで良かったんだけど。


 さらにいえば、中三の中間テストはまだ来てないから知らないのも当たり前かと私は頷いた。


「楓ちゃん、どうしましょう?」


 芽衣は救いを求めるような目で私を見てくる。芽衣は心配性で優しい所あるからぬめを見捨てられないのだろう。まぁ私も友達だし見捨てるつもりなんてないけど、それに生徒会長なわけだし。


 でも、具体的にどうしよう?今小学一年生から教えるにしたってちょっと時間が足りない。


 あと、私はともかく芽衣も今の勉強を真剣にやってるの知ってるし...。


「そうだ、勉強会を開こう!!」


 当然の思いつきだが、これしかない。お互いがお互いの勉強を見てあげられる、なおかつ誰も不幸にならない素晴らしい案だ。


「え?勉強教えてくれるの??」


「いい案ですね」


 二人とも賛同してくれた。私はちょっと溶けたパフェを口に入れながら、初めての勉強会の予定を立てた。


「じゃあ、今週の土曜日にこの三人で私の家に集まるということで」


「はーい」


「分かりました」


 ようやくちゃんとパフェが食べられるようになった頃には、アイスは完全に溶けていて、みんなで残念そうにすくって食べることになった。


 そして、そうして計画した勉強会だが、あの怒らないと私達の中では有名な芽衣がキレたり、ぬめが「植民地が分からない」「都道府県分からない」と分からない星人になったり、セクハラされしあったり色々なことがあったがそれはまた別のお話になる。

はい、時間に間に合った。次回は四日目でお会いしましょう。


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