起床
「ふぁ〜、あぁ、ぁぁぁ」
起きあがろうとすると、誰かが僕の上で寝ている。多分、ういかな。一回寝ぼけてた時もくっついてた気がするし、その時はたしか楓と夜野さんがいた気がするけど。
僕はうつぶせになったまま周囲を見回した。どうやら、居間には僕達以外は誰もいないようだ。
風呂の順番はどこまで回ってるんだろうか。
だからって、もちろん風呂場を覗きに行ったりはしないが。
ぐっすり眠っているういを起こすのは申し訳ないが、もう目が覚めた以上、前のようにもう一度眠れる気がしない。
ちょっと強引に動くか。上に乗っかっているういを背負って動こうとしたが、
「あ、悠斗。ストップ」
上の方から声がかかった。楓はちょうど部屋から出たのだ。
「いや、この体勢で??」
僕はういを背中に乗せ、立ちあがろうとしゃがんだ体勢である。これをキープするのはさすがにしんどい。
「そろそろ芽衣が出るから、起こしてあげて」
「うん?そうなの?」
「多分」
曖昧な返事だが、もう次がういだから起こしてあげないとダメみたいだ。多分幸せそうな顔して寝ているういを起こすのは正直心が痛いが仕方ない。
「おーい、うい。起きてくれ」
ペチペチ、僕はういの頬を軽く叩く。
「う、う〜ーふぁぁぁぁぁ。あ、兄貴?」
すごい大きいあくびとともに背中に乗るういは目が覚めたようだ。背中に伝わる感触がなんか変わった。
うーん。僕の妹は発育がいいらしい。ういが動くまで気付かなかったけど、多分普通よりある。僕は背中に張り付く何かの感触を確認した。
「なんで、私兄貴に背負われてるん?」
「ういがくっついてたから、周り確認しようとしたら背負ってた」
僕はういを背中から下ろし、ういは手を伸ばしてのびをする。
「なんで、私寝てたんだっけ?」
「いや、知らないよ。僕は確か...」
僕は思い出した。僕はとんでもないことをやらかしてた。そう上から下の階に下がってきた楓に対してだ。
「い、伊波さん。あの、その、...ごめん。見ちゃって」
「う、ううん。あれは完全に私が悪かったから。むしろ、ごめん。変なもの見せて」
僕は、すぐに楓に謝ったが、楓もなぜか謝り返してきた。事故とはいえ完全に僕が悪いのに。
だが、ここで綺麗だったとか衝撃だったとか言ってしまうとモブ属性以外に変態という称号を加えられかねない。
僕は必死に謝ることに専念した。
でも、僕が謝れば謝るほど、楓の頬は赤く変色していって。いや、怒っているんだろうけど、僕にはただただそれが可愛らしく見えた。僕もつられて頬のあたりが熱くなっている気がした。
「兄貴、ダメだから」
熱くって変な気を起こす前に、ういが止めてくれたのは幸いだった。そのういは、目を細めてすっごい顔で僕を見ていたわけだけど。
「大丈夫だから、もう大丈夫」
「ごめん、そりゃ思い出したくもないよな。気持ち全然分かってなくて悪かった」
ちょっと気まずい沈黙もあったが、僕は普通に楓と話せるまでメンタルを取り戻せた。まだ、しおらしい楓と話すのは緊張するけど、明日からは普通に話せるといいなと思った。
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