登校初日から授業&女子とのRINE交換
毎日投稿(24時4分)
午前中、入学式が終わりみんなてんやわんやしている中、忙しくうちのクラスの担任の先生が教室に入ってきた。
「すまないが、明日休みになるから、今日授業をすることになった。本来なら今日は入学式だけで終わるはずだったんだが、申し訳ない。急いで、教科書を配るから何人か手伝いに来てくれ」
それは申し訳なさそうに先生は謝ってきたので、僕達は責めることが出来ず、文句は言わなかった。
「では、私達が行きます」
そして、厄介な楓は僕の袖を掴んで持ち上げ、、、僕は巻き添いをくらった。
「はぁ、やると思ったけどマジでやりやがったよ。ほんと伊波さん想像通りだよ」
「誰かに任しておけばいい、とは思わないでしょ。それに二人で話す時間もできたじゃない?」
「そのおかげで、僕達二人だけで運ぶ羽目になってるんだけどね」
「それが、私という人望の厚さだよ」
「言ってて悲しくならないのかよ...」
二人しか立候補しなかったため、僕達は荷台の上に四〇人×九冊分の本を乗せ運ぶことになった。
「重くね、マジで」
「漫画みたいに前が見えないほど積まれてるという訳でもないから大丈夫。だが、良く考えれば、漫画に出てくる彼らはそれを持ち上げられるだけ筋力をつけているというわけか!!」
「なんも凄いことなんかないぞー。そんなことより段差だちょっと上げてもらえるか?」
「分かってるよ。仕方ないな」
そんなふうに言って、楓は教室に入る前の段差に対応した。っていうか、荷台押してたのずっと僕じゃないか、立候補したの僕じゃないのに。
いいように使われた、が、もう気にしないことにした。
しかし、なぜ、明日が休みになり今日は授業なのか?そもそもの理由も先生からは聞いていない。
一体何があったというのか。疑問は残るが、授業は急に始まった。
「はい。数学担当粟井です。これからよろしく」
「「「よろしくお願いします」」」
「ちなみに今日は授業になったが全くやる気にならん。お前らお互い自己紹介もしてないだろう。だから、この時間は自己紹介タイムにしまーす」
「「「はーい!!」」」
なんか、テンションはついていかないが今から授業じゃなく自己紹介する時間になるらしい。
というか、元気すぎないか?
「ここはどうやら隠していただけで楽しい奴らがたくさんいるようだよ」
僕の心を呼んだかのように楓は話す。
「お前が一番なのは変わりなさそうだけどな」
僕から言わしてもらえば、ここが普通と違うだけだ。会津も驚いてる、いや完全に乗っているみたいだな。そんなやつじゃなかったはずだけど
「ふふふ、私にもようやく女友達が出来そうだよ」
「いや、難しいだろ。女子のネットワークってめっちゃ怖いんだろ?」
「ま、そこは何とかする」
そう言って楓は、何人か集まっている少女達の中に入っていき、何か話し込んだ後、少女達と一緒にこっちにやってきた。
「な、できただろう」
「なんで、わざわざこっちに戻ってきたんだよ」
「いや、悠斗も話したいかと思って」
「余計なお世話だよ。大体、僕が女子と話せるわけないだろう。陰キャだぞ」
「すごい説得力だな」
「バカにしてんのか?」
「でも、楓ちゃんを守るために暴漢をのしたって聞きましたよ。すごいじゃないですか」
「いや、それは伊波さんが...」
「尊敬しちゃうな。やるじゃん、そんなケンカできそうな顔してないのに」
「いや、だから、それは...」
いつの間にか僕は楓を含む女子三人に囲まれ、逃げ出せない状況になっていた。
さらに言うと、男子からの目線が痛い、どう考えても友達になろうなんて言える雰囲気じゃない。
「(かえでぇやってくれたな!!)」
僕が、楓をじっと眺めるとちょびっと舌を出して可愛く仕草した。確信犯だ。
「へぇ、名前は灰羽悠斗っていうんだな。んじゃあ、RINE交換するかー」
「わ、私も混ぜてください」
「ちょ、ちょっと待って、いや、そういうのは私からだろ?」
「誰も交換するなんて言ってないけどな。はぁ、聞いてくれてないんだろうな」
僕は、彼女らに言われるがままスマホを出し、連絡先を交換することになった。おれのRINEには、ほとんど誰も入っていないし、公式で埋められているような状態なので見られてもあまりまずいことはなかった。
女子達は少しつまらなさそうにしていたが、僕としては話のタネにならなくてよかったと思った。
こんばんは、里道アルトです。次は予約掲載しようかなとか思っています。明日はもしかしたら投稿できないかもしれません。あと、俺口調から僕口調にいつの間にか変わっていても気にしないでいただけると幸いです。