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モブは普通の〈モブらしい〉生活を送れない  作者: 里道アルト
第二章 面倒なことからは逃れられない
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待ち望んだ時間

「次は、体育か」


「じゃ私達は行ってくるよ」


「はーいよー」


 楓達は、そう言って女子更衣室に向かった。ちょっと委員会決めの衝撃が大きすぎて心が落ち着かない。


 全く、心に優しくないぞ。僕は少し引きずりながら着替えを始める。


 少し大きめの白ジャージ、ピタッと体にくっつくズボン。新品だからか少し愛着が湧く。


 どうせ、新しく買わないといけない日は来るけど、あんまり破りたくないなと思った。


 一人遅く容易に手間取って教室に残っていると、楓が教室に入ってきた。色違いのジャージとロングパンツを履いている。ちなみに僕はもう服を着ていたので、公然わいせつなんかじゃない。


「どうしたの?伊波さん」


「えっと、体育館シューズ忘れてたんだよね」


「伊波さんにもそういうことあるんだね」


「私だって抜けはあるよ?(悪い?と聞いている気がする)」


 別に煽ったわけじゃないけど、楓はちょっとムキになってそう言った。怒った時、頬を膨らますことが多いから分りやすいんだよな。


「ごめんって。別に煽ったわけじゃないんだよ」


「でも、心の中で思ったんでしょ、悠斗の私のイメージはどうなってるの?」


 楓は、そんな風に聞いてくる。なんだかいつもより弱々しい。そんな気がした。そんなこと無いと思うけど。


「うーん。なんでもできて厄介事を持ってくる天災みたいな?」


「え?普通に悪口」


「いい意味でだよ。楓こそどうして僕に構うんだよ」


「うーんと、それはねぇ...」


 楓は僕に近づき耳元で


「ひ・み・つ」


 そう囁いた。楓の髪からいい匂いが僕の鼻の先を漂う。なんかドキドキ鼓動がうるさくて、なんで僕は答えたのに答えてくれないんだよという次の言葉が出なかった。


 秘密なら仕方ないって気持ちになった。


「なんだよ秘密かよ」


「そ、秘密」


「ほんと。敵わないよ」


「私、褒められたのかにゃ?」


「そうだよ。いつも僕が負けてばっかりだ」


「???」


 やっぱり、天災だ。人が天災に振り回されているように僕も、楓には振り回されっぱなしなんだから。


「そろそろ行かないと間に合わないよ」


「行くよ、待たなくていいから先に行っといて」


 そう言っても、楓は僕のことを気にして待って少し遅れて一緒に教室を出た。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「はい、体育担当荒井だぁぁァ。どうぞ、よろしくぅぅゥゥ」


 このハイテンションなマッスルが僕らの体育の先生らしい。熱意がすごすぎる。


 しかも、この先生上半身裸。僕がマッスルと呼んだ一因だ。やる気しか感じられない。公然わいせつで捕まるよ。


 僕には、その上半身裸、短パンの組み合わせはどこか最近見なくなったテレビのCMのボディビルダーの人に見えた。


「じゃあぁぁァァァァ、今日はバレーボールやりまぁぁすぅぅゥゥ」


 とりあえず、声がやかましすぎる。声量が大きすぎるよ。みんな、ビビッて声も出てないよ。


 しかし、構わずマッスル先生は授業を進め、体操できるよう間隔を空けるよう僕らに言う。


「みんなぁぁァァ、十分間隔は空けたかぁぁァァ。では、準備体操いくぞぉぉォォ」


 屈伸から腕を伸ばす所まで準備体操を真面目にやる。先生は、体操後の息切れを全く感じることがなく平然としていた。


 最近、動いていなかったのでちょっと体がたるんでいた僕はかなりヘトヘトだ。


 その後は、隣の人とパスの練習、サーブの練習、レシーブ、トスとカリュキュラムが組まれるかのごとく部分ごとに練習していく。


「いいぞ、いいぞ、その調子でしっかり体を動かすんだぞ。弱音を吐いたらスクワット一〇回の刑だ」


 なんて、言いながら先生はずっと僕達の様子を眺めているので、逃げる事もできない。完全スパルタ体育だった。


 練習が終わる頃には授業の半分が終わっていて、そこから試合が始まった。みんなの顔色は一気に明るくなったが、僕はもう体が痛い。


「しんど...」


「かなりスパルタだぁ。しんどいけど、悠斗は次試合でしょ」


「うん、そうなんだけど。僕がいても邪魔だろうな。もう体が動く気しないよ」


「頑張れ、頑張れ」


「え、なになに?」


「応援だよ。負けるなーってね」


「はぁ、まぁやるんだけどさぁ」


「うん、頑張って!」


「行ってくるよ」


 なんだよ、応援って。そんな事されたら...本当敵わないな。少し意識してしまった。という意識しない人いないだろ。


 僕の体は自分が意識してる以上に体が熱くなった。


 ちなみにその後、僕たちのチームは普通に負けた。



こんばんは、毎日投稿頑張り中の里道アルトです。毎日100pv目指して頑張ってそれが達成できて良かった嬉しいってなってる最中です。皆様に読んでいただけていることが毎日投稿の励みになっています。ただ、毎日投稿にこだわっていて、ちょっと文章が変とか、表現が足りないとか多くの問題点も抱えているんじゃないかと思います。指摘されたところはできる限り直そうと思うのでご指摘のほどよろしくお願いします。

さて、前置きが長くなりましたが今回はHR後と体育の授業にスポットを当てて書かせてもらいました。自分的には楓がちょっとデレているように書いてみたのですが皆さんの目にはどう見えたでしょうか?

話が長くなりましたが、いつもここまで読んでくださりありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします!!

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