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モブは普通の〈モブらしい〉生活を送れない  作者: 里道アルト
第二章 面倒なことからは逃れられない
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例の件には触れないで

「はぁー、脱力」


「おつかれ〜、数学の先生に当てられた時はさすがに緊張したね〜」


「伊波さんはあれで緊張してたって言えるのかよ」


「うん、ま、何事も経験なのだよ」


「全然分からないんだけど、何の経験?」


 授業を聞かないで当てられた問題に答えるっていう経験なんだろうか?


 何を考えてるか分からないが、楓にとっては良い経験だったらしく、楓は口元を緩めて微笑んでいた。


「かえで、今日なんで遅れたの?」


「や、やっぱり私も待ってたほうが良かった?」


 如月さんと夜野さんは授業が終わると、楓の方にやってきた。


「いや、大丈夫だったよ。むしろ、...嫌、これは言わないでおくか」


「え、言ってよ」


「なに、隠すような事なの?」


「いや、ただ今は言いたい気分じゃないだけ」


「めっちゃ気になるんだけど」


「めっちゃ気になります」


 話のネタに今日の朝のことを話されても困る、だから、僕は若干食い気味で楓の方を見た。


 それを理解してくれたのかは知らないが、楓はその話に触れずに強引に話題を逸らした。


「そういえば、今日体育だったな。体操着持ってきた?」


「ちょ、話の逸らしたが強引!!ちなみに、私は忘れたー。貸して〜」


「私は、持ってきたけど貸せる分はないです」


「悪い、私も自分の分しかない」


「え、絶望なんだけど」


 絶望してる気落ちしてる如月さんの前で楓は、カバンから体操着の入っている袋を取り出し、中身を確認し始めた。


「半袖ならあるけど、ちょっと寒くないか?」


「大丈夫だと思う。体育ん時貸して〜」


「オッケー分かった」


 楓は二つ返事で返した。如月さんのピンチは回避できそうだ。というやり取りをずっと隣で眺めていた僕に今度は如月さんから話が飛んできた。


「灰羽は勉強できるの?私、さっきの問題分からなかったんだけど」


「いや、僕は楓に答え教えてもらっただけだよ。話してて、全然授業聞いてなかった」


「そっか。じゃあさ、考えたら分かったってこと?」


「まぁ、多分だけど?」


 僕は、自分の教科書とノートを見直した。まぁ、分からなくなるよな問題じゃないとは思う。最初の方だし当たり前だけど、計算問題が面倒くさいって思ったぐらいだ。


「へぇ、やるじゃん。というか、気付いてしまった。もしかして、この中で勉強できないの私だけ!?」


「気にすることじゃないよ、向き不向きの問題だよ!」


 如月さんが自分を卑下するよな一言を放つと、すかさず夜野さんがフォローを入れた。でも、勉強ができる矢野さんが言うとなんかちょっと逆効果な気もした。


「遠巻きに、勉強できないって言われた...。かえでぇ~」


「勉強しような、一緒に」


 楓は、冷たく突き放すんだな。できないなら、勉強すればいいじゃない理論だ。やっぱり、勉強できる人の発想で、如月さんには合わないみたいだ。


「鬼だ、慰めてくれよぉ~」


「勉強もやればできるようになると思うよ。お互いがんばろ。僕も勉強できるほうじゃないし」


「は、はいばぁ~」


 僕の慰め方は別にいいとは思えなかったけど、如月さんの心が落ち着けたなら、良かったか。まぁ、如月さんは自虐してただけなんだけど。少しは自信がついたのか、如月さんの表情は幾分かマシだった。







こんばんは、里道アルトです。ちょっと、朝のことを大げさに言ったので、二日目の一の灰羽くんの状態をひどくします。よろしくお願いします。内容的にはタイトル、コンプレックスでもよかったな。ちょっと勉強が苦手な如月さんを灰羽が応援するという構図が伝わったなら良し。

ではみなさま、最後まで読んでいただきありがとうございます。今夜中に書き直さなきゃ

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