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モブは普通の〈モブらしい〉生活を送れない  作者: 里道アルト
第二章 面倒なことからは逃れられない
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朝は弱いんです

モブ生活二日目突入~!!

 

 ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピピピ!


「ふぁあ、ぁぁぁ。あぁうるさい」


 ガシュッ、乱暴に時計の出っ張ってるところを叩くと、音は止まった。


 これで、安心して寝れる。もう一度睡眠に入ろうとしたところで、今度は少し遠くからアラームが鳴った。


 おそらく、ういのアラームだ。いつもならういがすぐ止めるはずだが、今日はなぜか鳴りっぱなしだ。寝てるんだろうか?


 僕は、結局その音のせいで再び寝る気になれず、ベットから起き上がった。しばらくすると、ういの部屋のアラームも勝手に止まった。


「はぁ、行くか」


 僕は、カバンの中に体操着を入れ、部屋を出た。



 一階に降りると、母さんはちょうど弁当を作っていて、珍しく、親父も起きていた。


 肝心のういはと言うと、ちょうどトーストを食べ終わったところらしい。


「うい、アラーム止めてよ」


「あ、...ごめん、ごめん」


「ま、おかげで起きられたんけどさ」


「兄貴、朝弱いもんなぁ。起きれて良かったじゃん」


 ういは口に入れていたものを全部咀嚼してからそう言った。


 ういに悪気がないのは分かってるけど、確かに僕は朝弱いから朝のアラーム嵐はしんどい。時計だけじゃなくて、スマホからも鳴るし、ひときわ時計はうるさいし...。


「でも、ねっむいんだよなぁ」


「悠斗、今日も時間に間に合わせるんなら、早く食べなさい」


「りょ〜かい」


 僕が食卓にでてるハムチーズトーストをかじっていると、早くに用意してたういは、もう家を出ようとしていて、僕はトーストをかじりながら見送った。


「じゃあ、行ってきまーす」


「行ってらっしゃーい」


 靴の踵を直して、ういはゆっくり家を出た。僕はそこで扉が閉まる音を聞いたが直後に、近所迷惑にならないくらいの声で、


「兄貴、早くしろ〜。お連れさんを待たせてるよー」


 なんて、ういが言った。僕を待ってる人なんていないと思うんだが...だが、昨日の記憶がフラッシュバックしてきて、どうして今日も学校に行こうという気持ちになったのか、ぼやけた頭がようやく覚めてきた。


 そして、僕を待っているだろう人、間違いなく楓だと理解した。


「あら、誰か待たせてるの?なら、余計早く用意しないと」


「他人に迷惑はかけちゃダメだぞ」


 両親からそう急かされ、僕は急いでトーストを口の中に入れ、歯を磨き、カバンを持って家を出た。


 家の前には、案の定、楓がいて、ういが話し込んでいた。僕が来たのを確認すると、ういは少し離れた。 


「兄貴、ようやく来た」


「灰羽くんおはよう」


「おはようだけど、二人してさっきまで何話し込んでいたんだ?」


「そ、それは...」


「女同士の秘密だよ、灰羽くん。それを聞くのは野暮じゃないかい?」


「オーケー関わらないが吉だな」


「じゃあね、ういちゃん。また」


「は、はい。またなのです」


 僕達は、団地を抜けるまで一緒に行動し、団地を抜けるとういと別れた。高校と、中学は真逆の方向なのだ。


 そして、二人きりなると僕は楓をちょっとじっと見た。楓は、そんな僕の顔のほっぺを摘んで引っ張ってきた。ちょっとだけヒリヒリした。


「突然、何するんだよ」


「なんか、怒った顔も可愛いなと思って」


「いや、怒ってるわけじゃないんだけど」


「怒ってないの?」


「怒ってないよ。でも、かわいいって言うのはやめてくれ。男子の尊厳に関わるから」


「え?でもかわいいよ。ほらその寝癖とか」


「あ、時間なくて、といてくるの忘れてた」


 僕が楓の指さしたほうを手で触ると確かに、とんがっていた。


「ほらほら見て、ほら」


 楓はそう言って、内カメラで僕を映した。確かに、今日はいつもよりも髪が跳ねてる気がする。特に前髪、鉄腕アトムみたいだ鋭くとがっていた。


「ほんとだ。ひどいな」


 そう言って僕がカメラから離れようとした瞬間、パシャッとスマホから音がした。


 ちょうど、楓も映る形で、僕のくせ毛もきっちりと写っていた。楓はしっかりピースしていて、勝ち誇った顔をしている。


「ちょ、ちょい」


「ラッキー。珍しい朝の寝癖悠斗がとーれた。今日はいいことあるかも♪♪」


「いや、勝手に撮らないでくださいませんかね、いなみさーん」



 楓は、その写真を消す気などさらさらないらしい。スマホを片手に彼女は、僕にそれが取られないように身をかわしていく。


 少し頑張ってみたけど、一向に取れそうに無かったから、僕が諦めることになった。いくら手でといても直らなかったので僕は急いで、家に帰った。そのピューッと走っていく瞬間まで楓に撮影された。人生の汚点である。


 勝ち取った楓はすこぶる機嫌が良かった。



おねむねむ、里道アルトです。相も変わらず、こんな時間にしか投稿出来なくてすみません。皆さんは朝弱いですか?僕はもちろん弱いです。夜行性の生き物なもので、 (`・ω・´)キリッ。まぁ、誰もが弱いこの時間帯の人の行動って基本的に眠りながらなんかしてるんですよね。経験ありますか?僕はあります。知らん間に着替えてるとか、いつの間にか学校についてたとか...。夜早く寝ても朝早く起きるって難しいんだなって最近しみじみ思いました。

えっと、落ちがないのでこの辺で。また、次回も楽しみしていただけると幸いです。それでは、みなさんさよーなら~

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