29.シズクの妹、そしてナナ。
「それじゃあ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい、2人とも」
そう言って、サヤとレンは家かは出ていった。2人は今日博物館とかに行くらしい。もはや彼氏彼女にしか見えなくなってきた。他にも今日は、海友はレベル上げ、ルマとリクは買い物に言ってるらしい。なので、ユズとロアとナナで家にいた。
「そういや、ナナさんって会った時、何か言ってませんでしたか?」
先生の家にいたシズクは、ユズとナナにそう言ってきた。可愛い気がするんだけど・・・先生の子ではなさそう。いや、そもそも結婚すらしてないっけな。
「あ、その・・・私の身体を今探してるんです・・・そして、シズクさんが来た時になんか反応するような匂いがして・・・」
「あー・・・そういうこと?先生さ、私の・・・知らない?」
「お?わかった、ユズに、ロアも来てくれないか?」
そう言われ、ユズとロアとスマホにナナで、先生とシズクにについて行った。
地下室らしき所の扉を開いて、銀色のカプセルらしきものを先生が開けた。そうすると、冷たい冷気が漂ってきて、白い髪の長髪少女が入っていた。
「この子、私の妹なんだよね・・・ラナって言う子なんだけど・・・」
ラナ。今はおそらく亡くなっている、シズクの妹。
「私ね、この世界にきて、身体があまり動かなくなったんだ。まだラナはさ、何故か、壊れてたんだ・・・そしてさ、私は先生に助けられて・・・」
ごめんね?ナナちゃんのために・・・妹って・・・もう、なんでここまでされないと・・・
「いや・・・ありがとう。でもいいよ。妹でしょ?ずっと近くで、傷もない状態でいた方がいいんじゃないの?」
そうだよ!妹なんでしょ!?私だって・・・兄弟とかは居ないけど少なくとも大切なのは分かる!わかるから・・・
「いいの。それに・・・ラナはいつも人を助けたいって気持ちばっかりだった。もしかしたら・・・ラナは本望ではないかもしれない、だけど、それでも私は・・・」
「・・・わかったよ、シズクちゃん、ラナちゃんの身体、借りるね」
そう言って、ナナはそれからしばらく、黙ってしまった。重い・・よね。私も、この身体はユズくんの身体だし、きをつけないと・・・。
「よし、これで大丈夫かな?念の為行き来は出来るようにしておいたよ」
あれからどれほど、立ったのだろうか。地下だから日当たりも分からなく、暇と言ったら失礼だから、「何か手伝えることは」と言ってみたものの、要らないと言われた。まぁ。私はそうだよね。
「ありがとう、先生。それじゃあ、しばらくこの電脳体とはお別れなのかな」
「いや、そう言ってるけど行き来できるからね?とは言ったけど実際はラナちゃんだからそうなのかな」
そう戯言を呟いていたら、カプセル内のラナが目を覚ました。ナナが、入ったのだろうか。
「あー、あー・・・よし!」
元気がいきなり出たのか、