20.ユズとナナの転生、そして恋。
「なぁミク、そろそろやめろ」
「えぇなんでー!私はユズくん好きだし!
気がついたらそう言っていた。多分・・・夢の中。ユズくんってこんなことしてたんだ・・・そういやまだこの時は入れ替わってなかったんだっけ・・・こっちの方がやっぱり慣れてるな。
「あのさ・・・例え俺と異世界転生して俺と学校行きたいだけでずっと付いてくるし・・・いい加減にしろよミク」
「えー無理」
そういや・・・この時の前に・・・
「ねぇミクちゃん・・・手伝って欲しいんだけど・・・」
「あ、わかった」
この子が・・・1番思い出したくないお友達。白髪ボブヘアのナナちゃん。別にナナちゃんが私に何かしたって事はないんだけど・・・何も思い出したくないな。
「それじゃぁさ・・・これなら?」
そう言って、手元に持っていた手紙らしきのを渡した。見た感じ・・・ラブレター?いやなんか違うのか。
「あ、ありがと!私・・・結構怖いからさ!」
そう言ってナナちゃんはかなり嬉しくなってつい廊下にかけていった。私は結構・・・可愛いと思った。
そして今に至る。正直楽しいんだけど・・・正直・・・今なら多分こんな事いやないのかな・・・ごめんね、ユズくん。
「もう、そろそろ別れたいや」
「いや別に恋人では無いよね!?私なんか・・・でも私は・・・」
そう言おうとした途端、スマホというか学校統一の端末が鳴った。内容は、
[白髪の少女 屋上から自殺!?]
・・・は?いや、白髪って・・・ナナちゃん!?
「・・・行くぞ、ミク」
「え、あうん!」
引っ張られながらも何とか学校まで戻ってきて行った。
「な、ナナちゃん!?」
人が多く、なんとか人を掻き分けて真ん中の、辺りに来た。ナナは恐らく限界そうだった。
「あれ・・・なにこれ」
スカートのポケットに手紙が入ってた。
「大好きだったよ ユズくん」
そう書かれていた1枚の紙が。・・・やっぱりあの手紙って・・・いや多分違うよね?だってそれなら・・・手紙はあのとき持ってないはずだし。
「・・・やっぱり・・・ミクのせいだろ」
「は!?いや私は・・・そうなのか・・・も?」
かなり不穏な空気に余計させてしまっていた。
いや・・・でも私は・・・
「あのさ、今更言うけど」
ミクがそんな感じでやってるの、嫌いだから
「え・・・いや待って!?私は・・・」
「付いてくんな」
「いや、だから・・!」
気がついたら、ユズは大きい階段から落ちかけていた。もしかしたら・・・
あの日のようには・・・ユズくんを見失いたくない。そう思いユズの手を引っ張った。
「・・・」
「もう、、やめて・・!私を・・・1人にはしないで!」
ユズはずっと黙っていた。だけどミクは、何も出来なかった。話しかけようとしても、何も・・・
「少しだけ話そうか」
「あ、そういやこれ」
階段から少し横のベンチで、そういって、小さな透明な瓶に入った飴を渡してきた。
「いま、食べてくれる?」
「え・・・これ・・・ユズくんが!?」
「うん、食べて」
そう言われて、嬉しそうに食べた。っでも・・・視界がぼやける。
「ごめん、ミク。俺、やっぱりダメみたいだから」
微かに見える景色には、夕方の日差しとユズが映っていた。そして、ユズはそのままころがっていった。
「痛い・・・」
何故か痛みが感じてきた。何も・・・わかんない。助
けて。とも言えなかったが。
早く・・・戻らないと。