19.ユズの本心、そして新町。
ギルドに戻ってきて数日。ユズは古文など、昔の話を沢山探していた。やっぱり、「ヴェネツィア・アリス」もとい、アリス症候群は分からない事が多いらしい。とりあえず分かってることは、過去に10人程度しかいなかった。くらいだろうか。というか、どうでもいいけど俺、無双とかしたくないんだが。
「あ、これいいじゃん」
今日も今日とてユズは古文を調べてる。ちなみに楓は寝てる。・・・俺の身体だよな?それともただ単に楓が基本夜型とか?まぁいいや。ちなみにナギとロアとミユは服色々買いに行ってるらしい。ミユは連れられて。まぁどうでもいいか(良くはない)
「んで、どうしたの?ユズさん」
「えっと、アリスの場所が分かりそう」
「え・・・いやアリスって数百年前でしょ?」
「うん、アリスは不老不死の力で牢獄に囚われてたって・・・書かれてるし、とりあえず場所は・・・『魔法都市 クラムリア・ドランガス』」
持ってる端末を見ると、転生前で言う大阪辺りか。というか、この世界まんま日本なんだよな。パラレルワールドか・・・まぁいいや、それよー
「クラムリア!?」
急にユズがそう言ってきた。いや、うるさいんだが。
「えっと・・・どうしたの?」
「気にしないで!でも俺は行かないから!」
・・・いやユズが基本案内だから行かないとだろ。
「いや・・・俺らだと迷いそうだし・・・そもそも」
「そもそもって何!?何も思い出したくないんだけど私・・・」
・・・あれ一人称変わった?え、この人中身違うの?いや、まぁさすがに・・・
「と、に、か、く!私は絶対行かないから!もう・・・戻れないのに」
そう言ってると、さすがに不安になってきたから、近くに寄り添って上げた。
「べ、別いいから!とにかく!とに、かく・・・あぁもう!話聞いて!」
何となく無理矢理感はあるが、支障は少ないか。聞いてやる。