18.アリス、そして古文。
気がつくと、ベッドの上で寝ていた。さっきまでドラゴンと戦ってたはず・・・なのに。記憶があまりない。アポートをして、Lvを確認してみると、13になっていた。正直異世界転生でそういうのは個人的には好まないのだが、気にしないでおこう。
「あ、おきたんだね、サヤさん」
トイレにいってたのか、洗面所の方からミユが出てきた。女の子になった抵抗とかないのか?とつい感じたが、今はいいか。
「・・・ミユか、さっき俺に何があった?」
「さーぁ?僕にはわかんない、僕はこの事話して、ユズさんに色々調べてもらってます」
「そっか・・・そういや、あのときの俺見て、どう思った?」
「いやなんか・・・乗っ取られた感覚というか?そんな感じしてた気がする」
そんなこんな話をしてたら、ユズと楓が厚めの本を持って部屋に入ってきた。なに?なんか魔法とかかけないよね!?いや、どっちも魔法使わないけどさ・・・ロアと強いてもナギだよな?
(ロアは既にもらった端末とイヤホン使って寝てる)
「それより、古文とか調べて、ミユくんの話のこと、わかったよ」
「そっか、んでどういうこと?」
「わかった。乗っ取られた感覚になり、力も増大する、謎の症状。つまりこれを・・・
ヴェネツィア・アリスト って言うって。
「ヴェネ・・・ヴェへっひぁ・・・言えない」
かっこよく決めようとして失敗したミユだったが、正直どうでもいい。そう思い、ひとつ問いかけた。
「あのさ、その、ヴェネツィアはどんなことになるの?」
「筋力が桁外れになって、大体の敵に一瞬で倒せるらしいけど、その分制御が聞かないんだって、そして、病名の共通点はただ1つ。オッドアイ。
・・・最初から病気だったのか・・・?てっきり自殺した時の弊害かと思ったのに。
「それってさ、僕達全員にあるの?ほら、潜在能力とかそういう」
「・・・恐らくないと思う。そもそも最後にあったのが数百年前だし」
「そっか・・・わかった。ユズさん、そういや、アリスって?」
「あぁ、そこも調べたんだけど・・・最初にこうなった人の名前・・・じゃなくて「囚われのアリス」という意味から取ったらしい、ヴェネツィアは別言で牢獄って言われてるらしいから」
「そっか・・・ふぁぁ・・・寝る」
考えるのをやめたのか、ミユがそう言って寝た。まぁ時間もじかんか・・・俺も寝よ。