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靴屋の娘と三人のお兄様  作者: こじまき
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国王陛下のお姉様

怪盗ルナの逮捕騒ぎから数日経ち、私はようやくイーライお兄様からダイニングで食事をとる許可をもらった。母やジヴァ、師匠や弟子がついてくれていたとはいえ、大人数での食事に慣れてしまった私には、自室での食事は寂しいものだったので、とても嬉しい。


アレンお兄様からは怪盗ルナのその後について話を聞く。


「パーティーで出会った令嬢からそれとなく家の経済状況や警備体制について話を聞いてターゲットを決め、犯行に及んでいたらしい。王都以外でも余罪が見つかったので、しばらくは牢獄から出てこられないだろう」


ちなみに、アレンお兄様は怪盗ルナを逮捕したおかげで昇進するそうで、おめでたい。これからは隊長補佐として、現場ではなく王宮内で治安部隊全体の指揮や指導を担当するそうだ。


「現場は危険なことも多かったから、これで僕も安心だよ」とお父様も嬉しそう。カラバスお兄様は「でもルナに蹴り入れて仕留めたのは僕だよ。感謝の金一封くらい出ないの」と笑いながら主張している。また「俺のデイジー」というセリフが蘇って恥ずかしくなり、あれは「(兄妹)デート」のように「俺の(妹の)デイジー」という意味だったのだろうと思い直す。


イーライお兄様には、素朴な疑問をぶつけてみる。


「犯罪捜査に魔法は使わないんですか?魔法を使えば、ルナの事件ももっと早く解決できたような気がしますが」

「監視、探索、情報収集などに関する魔法は、プライバシー保護の観点から厳しく使用が制限されている。許可がないと使うことはできない」

「そうだったんですか。許可を得ずに使ったらどうなるんですか?」

「裁判にかけられ、有罪なら魔法の力を奪われる」

「厳しいんですね」


珍しく長文で返してくれたイーライお兄様にびっくりする。「規制がなかった昔は、魔法が犯罪に使われてしまい、一般の国民が一方的に大きな被害を被ることもあったからね」とお父様が補足してくれた。そういう歴史もあり、魔法使いが一般国民に対して悪意を持って魔法を使うのも重罪だそうだ。


ちなみに、監視とか探索には魔力を広範囲に広げるためにかなりの魔力が必要で、そもそもそういった種類の魔法を扱える魔法使いも少ないそうだ。魔法使いにも得意不得意、できるできないがあるなんて知らなかった。「お兄様はどんな魔法が得意なんですか?」と聞いたら「機密だ」と一蹴された。


そういえば、誕生日のパーティーをぶち壊されたアスターベル様は怒っていないだろうか。お父様に聞いてみると「怒ってはいらっしゃらない。むしろ大変心配してくださっているようだよ」との答えで安心する。


「あ、もっと話してたいけど、僕、今日は早めに王宮に出なきゃだった。ファリカステ様にまた肖像画頼まれちゃって。最近ほんと頻繁なんだよなぁ。じゃあ行ってきます」とカラバスお兄様が私にウインクをくれながら出勤する。私はお父様に「ファリカステ様って、どなたですか?」と聞く。


「現国王陛下の姉君だよ」とお父様。名門中の名門、タンクロゼット公爵家に嫁いだものの、ファリカステ様よりかなり年上だった公爵様が結婚して間もなく亡くなり、若くして未亡人になったそうだ。それ以降は、住み慣れた王宮にお戻りになって暮らしておられるらしい。


「ああ、今度王宮で開かれる建国記念日のパーティーで、お見かけできるんじゃないかな」

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