4 「もうお前は奴隷じゃない、自由だ」「え、どういうことですか?」
俺「訓練を始めるぞ」
獣耳娘「はいっ!」
俺「いいか、ナイフはこう握って、こうだ」(シュッ
獣耳娘「こうですか?わわわっ」(ドテ
俺「……」(なぜナイフを振るだけで転ぶんだ?)
・・・
・・
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俺「ギルドでの依頼はよく見て選ぶんだ。魔獣関係の仕事は駆け出しには危険だからダメだ。」
獣耳娘「分かりました!…これはどうですか?よくないですか?お金もたくさん貰えますよ?」
俺「『正体不明の大破壊の調査』…これは精霊や『魔女』などの高次の存在が関与している可能性があるからダメだ」
獣耳娘「魔女って何ですか?魔法を使う女の人?」
俺「『魔女』は元人間が自然の理を超える『魔力』を手に入れた存在だ。男女の別もない」
獣耳娘「へえ、そうなんですか」
俺「『魔女』に人間の善悪や倫理などは通用せず、気ままに破壊や殺戮を行う」
獣耳娘「はあ」
俺「何らの代償もなく魔法を使い、熟練の冒険者が束になってもかなわない。『奴』は…」
獣耳娘「ご主人様…なんか顔が怖いですよ?」
俺「…要するに、こういう依頼は絶対ダメだ」
獣耳娘「そんな〜。残念」
・・・
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俺「行くぞ!この木片をナイフで受けてみろ!」 (ポイポイポイ
獣耳娘「はっ!」(キンキンキン
俺(だいぶ動けるようになってきたな)
・・・
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受付嬢「お疲れ様でした。これが報酬です」
獣耳娘「やった!今回も成功しましたご主人様!」
俺「(そろそろ頃合いかな)おい、ルゥいいかよく聞け」
獣耳娘「え?なんですか?」
俺「もうお前は奴隷じゃない、自由だ」
獣耳娘「え、どういうことですかご主人様?」
俺「俺はご主人様じゃない。お前は冒険者として望むように生きていけ。もう十分に一人前だ。ただ無茶だけはするなよ」
獣耳娘「えぇ~~?そんな〜ボクはご主人様の物でいたいですぅ~(涙)」
俺「自立するために訓練してやったんだ。誰かに従うのではなく自分で決めるるんじゃなきゃ、いつまでも奴隷と同じだぞ」
獣耳娘「そ、そんなぁ」
俺「(ここは心を鬼にして)じゃあ、元気でな」
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俺「……でなんでまたついて来てるんだ」
獣耳娘「ボクは自由にしていいんですよね?」
俺「そう言った」
獣耳娘「ボクは冒険者として自分で決めて、ご主人様にと一緒に仕事をしようって決めたんです♪もう『一人前』ですし!」
俺「参ったな…」
獣耳娘「ご主人様はどうなんですか?ボクと一緒に行くのが嫌なんですか?
俺「…仕方ない。よろしくな、ルゥ」
獣耳娘「はい!」