15 「好きにしたらいいんじゃないですか」(完)
受付嬢「…それで、すごすご帰ってきた訳ね」
俺「仕方ないだろ。聖騎士団なんかに歯向かっても勝てないんだから」
獣耳娘「本当にあいつら頭にきますよね!ボクらが魔女を倒したのに!」
俺「冒険者ギルドに来てて俺が受けた『魔女討伐の勅命の依頼』はなんだったんだよ」
受付嬢「国としては聖騎士団を動かさずに、冒険者を使って魔女を始末したかったみたいだけど、聖騎士団が勝手に動いたみたい」
俺「じゃあ報酬もなしと」
受付嬢「ええ」
俺「全て終わった、でも何も得られなかった…なんのために長い期間かけて戦ったんだろうなあ」
獣耳娘「多分いつの日か、みんなが本当のことをわかってくれると思いますよ!」
受付嬢「そうだといいわね」
獣耳娘「というか、ご主人様は、魔女を倒してとうとう復讐を果たせたんだからよかったじゃないですか。魔女に同じような目に合う人もいなくなる訳だし」
俺(おい馬鹿!その話は他人にするなよ!)
受付嬢「え?貴方が復讐?どういうこと?『孤高の冒険者の悲しい過去』みたいな話?」
俺「じゃ、またな」(サッ
獣耳娘「あ、ご主人様!」
受付嬢「えーなんなのか教えてよ〜」
??「よう、ここのギルドに登録したいんだが」
受付嬢「新規登録の方ですか?紹介者はいらっしゃいます?」
傭兵「おう、紹介者はさっき出て行ったあいつだよ」
俺「魔女を倒したが…さて、俺はこれからどうしたものか」
獣耳娘「どうしたものか、って…『好きにしたらいい』んじゃないですか?」
俺「好きにしたら、と言われてもな。ずっと魔女を倒すことだけ考えてきたし、なにをすればいいのやら」
獣耳娘「ご主人様、覚えてますか?ボクに初めて会ったとき、『どうすれば?』って聞いたご主人様がボクに言ったことですよ?『好きにしたらいい』って」
俺「!!」
獣耳娘「その時はご主人様がボクを連れて行ってくれましたよね。
もし、好きにしろって言っても思い浮かばないなら、今度はご主人様がボクについてきてくれるのはどうですか?」
俺「いいが、お前行きたい場所とかあるのか?」
獣耳娘「たくさんありますよ」
俺「期待しよう」
獣耳娘「期待してください!」
「獣耳奴隷娘が出てくる話って、こういうことがありがちだよね?」
というベタなシチュエーションを考えて遊んでいたら、
なんか自分でもキャラクターが好きになってしまったので書いたものです。