表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界って案外面倒臭いですね  作者: 折りたたみ傘の柄って短くね?
第1章 プロローグ
9/17

第9話 石版と会話の詩

そろそろタイトル考えるの大変になってきました。

―しばらくして、マリア学院長は1枚の紙と前に手を置いたものより一回り大きめの石版を手に戻ってきた。


「お待たせしてごめんなさいね。」


「いえ。・・・その手に持っているものは何ですか?」


「これは、先程の石版よりも遥かに大きい容量を持っているため、先程の石版で測りきれなかった魔力量の方も測れるようになっています。そして、これは魔力を扱う器も測ることもできます。」


「この上に手を置けばいいですか?」


「えぇ、では置いてみてください。」


私が手を置くと、一瞬部屋を眩い光が満たす。


しかし、今回のそれは瞬きする間もなく消えた。


「・・・これでもダメなのかしら。それなら、もう測るものがなくなってしまうのだけど。」


「・・・・・・」


「もうこれは直接宮殿に―」


「あ」


「どうしたのですか?」


「あの、石版の近くに置いてある紙に何か書いてあるのですが・・・」


「・・・本当ですわ。確認して見ましょう。」


そう言ったマリア学院長は、ゆっくりと紙に近づいていく。


その紙には、こう書いてあった。


________________________________________


ユーカ=ロレイン


Age : 5


HP : 160


MP : 210


属性 : 水 土 光


ジョブ : 勇者


職業 : 勇者


称号 : 祝福を受けし者 魔法の申し子 聡明


固有スキル : 鑑定 双神(そうしん)の守護

________________________________________


今のこの子のステータスは測れるけど、多分卒業する時は俺割れるから、直接宮殿行って測ってね。 By石版


・・・あれ、ちょっとだけHPとMPが増えてる。


ふと横を見ると、口をポカンと開けているマリア学院長が見えた。


「あの、マリア学院長?どうかされましたか?」


「・・・はっ!い、いえ、なんでもありません。HPは平均ですが、MPは素晴らしい。ただ、この石版にはステータスを全て測る機能は・・・」


すると、紙が光り輝き始めた。


淡い光を帯びたそれは、まるで魔法のようにマリア学院長の手元を抜け、私の手元へと飛んできた。


私が手を出すとふんわりと着地したその紙を覗き込んだ私は驚いた。


「え、これって・・・」


そこには新しく、


「元からあったけど魔力供給がないから普段出ねぇんだよ!」


・・・とあった。


いや石版口悪っ。


「・・・どうして急にこんなことが?」


「あの、マリア学院長、これ・・・」


「あら、先程と変わった所は無いわね・・・本当にどうしたのかしら・・・」


「え?」


「・・・ユーカさん?どうしたのですか?」


「・・・ここに新しく文字が増えてるじゃないですか。」


「・・・え?どこに?」


もしやこの文字、私にしか見えないのではないか。


だとしたらなんて厄介なんだろう。


「あの、私のステータスの下に・・・」


「・・・私には見えないわ。なんて書いてあるの?」


「はい、えーっと、『元からあったけど魔力供給がないから普段出ねぇんだよ』と・・・」


「それはその石版に書いてあるのをそのまま読んだのね?」


「はい。・・・あれ?」


さっき読んだ文の下にまた文字が増えてる。


「『どうやらお前にしか見えないみたいだな。これが見えるってことは、お前、相当魔力持ってるだろ。・・・そう言えばさっき210とか言ってたっけ。じゃあお前一般的な冒険者と同じくらい持ってんだな。しかも勇者かよ。道理で魔力の質が良いわけだ。』」


突然現れた文字を読みあげる。


マリア学院長は、一瞬目を見開くが、直ぐに私の声に耳を傾ける。


私はそのまま読み続けた。


「『まぁ編入生はよくいじめられやすいって言うけど、お前なら直ぐに馴染めるだろ。まだ5歳だし・・・え!?まだ5歳!?嘘だろ!?・・・まぁ頑張れよ。なんかあったら俺も話聞くし。卒業するとき、お前がどうなってんのか期待してるぜ。じゃあな!あ、俺の名前はオクトってんだ。なんかあったら学院長の部屋にいるから呼べよな!』・・・だそうです。」


「あら、石版さんは随分とお口が悪いのね。しかもオクトって記憶の神の名前じゃないかしら?・・・まぁ、同名なだけよね。OK、ステータスは素晴らしいわね。では学力試験にしましょう。問題量は少ないけど1問1問が難しいので、頑張ってください。」


「はい!」


そう言いながら私は笑顔を見せた。


よし、頑張るぞ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ