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異世界って案外面倒臭いですね  作者: 折りたたみ傘の柄って短くね?
第1章 プロローグ
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5話 再開と説得の詩

「え、アルとメル?どうしてここに?」


私は驚いた。


「あれ、僕言わなかったっけ?僕達はこの国の守護天使をやってるって。」


「あー、そう言えば言ってたけど・・・もしかしてこの教会って、アルとメルを祀ってあるってこと?」


「祀ってあるっていう言い方は少し違うような気がするけど、まぁそんな感じかな。」


「へー、そうなんだ。」


「祀ってあると言うか、なんかそれと違う気がするのよね。」


「違う?」


「うん、メルの言う通り、僕達はアルアメル教っていう宗教の本尊?って言えばいいのかな?だからかもしれないけど、なんかここに来ればジョブが分かるみたいな使われ方してるけど、ジョブって生まれた時からみんなあるからね。」


「え、じゃあなんで教会に行くのって5歳なの?」


「ユーカが入った部屋に、石版があったでしょ?」


「うん。」


「あれはねー、実は手を置いた人の魔力を使って動いてるの。」


「へー、そうなんだ!」


「うん。でもねー、あれって結構魔力食うから、5歳になってからじゃないと魔力切れを起こしちゃうんだよねー。」


「え、初めて知った。」


「あとねー、賢者が使える特殊な魔法って、真実を見抜く魔法の類だよ。」


「え、ジョブを知るやつじゃないの?」


「それも真実を見抜く系の魔法の1部だから間違いではないけど、嘘を看破する魔法とかも使えるはずだよ。」


「え、そうなの?あとで神父さんにも教えてあげなきゃ。・・・それにしても、なんでそんなこと知ってるの?やっぱり神様だったりするの?」


「えっとねー、それは前にも言った通り守護天使だよ、今のところ」


「今のところ?ってことは神様にでもなるの?」


「うーん、神々からのお誘いは来てるけど・・・正直に言っちゃうと面倒なんだよねー。」


「面倒?何で?」


「神になると色々な権利が貰えるんだけど、その代わり自分達を信仰してる民を救わなきゃいけないんだってさ。権利自体は喉から手が出る程欲しいけど・・・。」


「じゃあなればいいんじゃないの?今までだって人は救ってきたんじゃない?」


「それがさー、そうはいかないんだよね。神になるど今までと勝手が違うんだってさ。」


「そうなの?どう違うの?」


「結構興味津々だね・・・。えーっと、神が人を救うのには『神の奇跡』っていうのを使うんだけど、それを使う頻度とか1人に使える回数とかが決まってて、それを守らないといけなくてさ。しかも、その回数、人によってバラバラなんだよ!もうやんなっちゃう。」


「あー、それは面倒かも。」


そう私が言った途端、アルが目を輝かせて、


「ね、ユーカもそう思うでしょ!?だから僕はなりたくないんだよ、神なんて。2人一緒じゃないとダメとかじゃなくてさー、メルだけとかでもいいと思うでしょ?ねぇ、メルもそう思わない?」


「え?いや、2人同時ではないとダメではないですか・・・?」


メルは突然話を振られたことに戸惑いながらもそう答えた。


だよね、私もそう思う。


「じゃあ、2人同時じゃないといけない理由って何?」


「そ、それは・・・」


・・・頼むから、メルよ、助けを求めるような目でこっちを見ないで。


「うーん、確かに面倒だけど、宗教の対象って、昔から神様だったでしょ?天使じゃなくて。」


「あー、こっちの世界でも確かにそうだね。神々も『宗教で崇められるメインは神である』って言ってるし。でも神とかそういうの、面倒だし。」


「まぁ面倒っぽいのは否定しないけど、神様が『宗教で何とか』って言ってるなら、アルアメル教で祀られてるのが2人である以上、2人しなきゃいけないんじゃない?」


「んー、確かに一理あるし、筋も通ってるけど・・・」


「メルも神様になるならアルと一緒がいいでしょ?」


「もちろんです。」


「だってさ、アル」


「・・・あぁ、もう、わかったよ!なればいいんでしょ、なれば!」


あ、アルが折れた。


まぁ、私が無理やり説得しちゃっていいのかな?とは思うけど。


「あーもうなる!なるから帰って!」


アルがそう言ってるし、もう帰ろうかな。


・・・あれ?何か忘れてるような気がする。


「あ!」


「何さ、まだ何かあるの?」


「私、ジョブを知りに来てたんだった!アルとメルでも私のジョブは分かるんでしょ?私のジョブって何?」


それを聞いたアルは、


「あぁ、そんなこと言ってたね。何になりたい?」


と質問に質問で返してきた。


いや、ジョブって決まってるんじゃないんかい!


「え、さっきアルがジョブは最初から決まってるって言ってなかった?」


「あー、言ったけど、ユーカはこっちに来られたから選べるよ。」


「え、どういうこと?」


「普通の人は石版の部屋からこっちに来ることって滅多にないんだけど、たまにこっちに来れちゃう人がいるんだよね。で、そんな人にはジョブを選べるようにしたんだよね。」


「へー、じゃあ私がここに来れたのは偶然ってこと?」


「うん、でもまぁある程度は予測してたけどね。」


「あ、そうなんだ。」


「・・・おっと、話がそれたね。で、ジョブは何がいい?」


「うーん、割となんでもいいなー。あ、そう言えば、アル、なんか『世界を救う』とか何とか言ってなかったっけ?」


「・・・あ、忘れてた。」


いや嘘でしょ!?


「ユーカ、ごめん!ジョブなんだけど、多分『勇者』になっちゃうかも。」


「いや、まぁそんな所だろうとか思ってたからいいよ。」


「そっか、良かったー。これで神々に怒られなくて済む・・・いや、むしろ怒られて神候補から外されればいいのか?」


「お兄様、それですと多分逆に神にされてしまいますよ。」


・・・ナイス、メル。


「・・・そっか、じゃあユーカ、君のジョブは勇者で。」


勇者かー。


・・・やっぱり、フラグ回収しちゃったかー。


「うん、わかった。・・・あ、私、そろそろ戻らなきゃ。」


「そだね。じゃあ、メル。」


「・・・はい。ユーカ、少し目つぶってて。」


「? うん。」


「・・・はい、終わり。」


「メル、何をしたの?」


「それは戻ってからのお楽しみよ。」


「え、あ、うん。わかった。」


「向こうの世界でユーカがちょうど石版に触れたぐらいの時間に送り返すけど、それで大丈夫?」


「うん、ありがとう!」


「じゃあ、ユーカ、またね!」


「・・・お兄様を説得してくれてありがとう。」


アルとメルのそんな言葉を最後に、私の意識はブラックアウトした。


・・・なんか、今日は2人ともキャラがおかしかったな。


それとも、あれが素なのかな?


やっぱ久しぶりに更新するとキャラ崩壊起こしそうで怖いですね。しばらくはいつも以上に忙しいので空いてる時間にちょくちょく進めようと思います。

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