第15話 知能と転移の詩
更新遅れてごめんなさい!
ちょっとテストやら何やらで遅くなりました。
・・・という訳で、私とマリア学院長、オクトは王様と執務室に向かった。
その途中、オクトがこそっと私に聞いてきた。
「なぁ、ユーカってほんとに5歳だよな?」
「・・・え、うん。(ぎくっ)」
「・・・ふぅん、ならいいけどさ。」
「でも、なんで?」
「いや、だってさ、お前、ステータスが異常すぎるもん。しかも、使える魔法多くね?」
「え、使える魔法?」
「あぁ。だってアイテムボックスと転移と透過が使えるんだぜ?そんな5歳児なかなかいねぇじゃん。」
え?私が転移とアイテムボックスと透過?
・・・いやいや、そんなの使ったことないし。
「え、私そんなの知らないよ?」
「え、だってステータスの使用可能魔法の中に入ってるだろ。」
「え、知らない。そもそもステータスにそんな欄ないよ?」
「え?・・・あー、そっか。人間には見えないのか。じゃあ特別な?ほいっ。」
オクトがそう言うと私の体が少し熱くなり、そしてすぐにその熱は冷めた。
「え、これ何?」
「俺の加護。と、使用可能魔法がみえるやつ。ユーカは鑑定使えるだろ。ステータスって言ってみ?」
「ステータス・・・うわ!」
私のステータスには新しく「オクトの加護」と「使用可能魔法」の欄が新しく映っていた。
「あ、その使用可能魔法ってのは呪文唱えなくても使えるやつな。これはこれから学校とかで色々習ったり自分で学んだりするにつれて増えていくやつだから。」
「じゃあここに乗ってなくても呪文唱えれば他のも使えるの?」
「あぁ。呪文覚えてればだけど。」
「これって他の人のも見られるの?」
「あぁ。普通のステータスより魔力使うけど。」
「ねぇねぇ、固有スキルに鑑定ってあったら?」
「使用可能魔法を見るのにも魔力が要らなくなるな。・・・あぁ、そっか、ユーカはあるな。」
やった。じゃあ固有スキルにあるやつは全部魔力を使わなくていいってことなのか。
そんなことを考えていると王様が私たちに声をかけた。
「・・・着いたぞ、ここが執務室だ。」
おお、さすが国王だけあって広いな。
「ユーカ殿、ここに座ってくれ。」
私が座ると、それを見たオクトが、
「おし、じゃあ今からテストを受けてもらうぞー、言っとくけど多分これが元々あった国のやつをそのままこの国の言語に置き換えただけだからなー、多分ユーカ以外には1問でも解けるかわかんないぞ?」
「それなんですが、オクトさん。」
オクトが説明していると、マリア学院長が手を上げる。
「ん?なんだ?」
「そのテスト、私も受けさせてくれませんか?どのくらい難しいのか興味があるもので。」
「んー、わかった、じゃあそこに座ってくれ!」
「はい。ありがとうございます。」
そんなこんなで、私たちにはテストが配られた。
あ、マークシート式なんだ。
「それじゃあ行くぞー、割と問題数多いから、制限時間は1時間だ!よーい、始め!」
オクトのその言葉を聞いた私たちは、一斉に問題を時始めた。
・・・お、最初の方は簡単だな。
うーん、これは難しいな。
「はい、そこまでー!じゃあ答え言ってくからな。」
「え、答えの紙無いの?結構問題あったよ?」
「だって俺記憶の神だし。覚えてるし。じゃあ行くぞー、1番、3!2番、2!・・・」
オクトの声に従って私もどんどん丸つけていく。
お、この辺結構あってるな。あ、これ違ってる。
「おーし、みんな終わったな。じゃあ1人ずつ持ってこい、まずは国王!」
その声に王様が紙を持っていく。
「・・・えーっと、お前は・・・46だな。まぁこの国だと高い方なのか?知らねぇけど。次、マリア・・・だっけ?」
「はい。」
あれ、マリア学院長、ちょっと自信ある?
「・・・お前は56か。お前、この国取れるな。」
その言葉に王様が体を震わせる。
「いえ、国とか治めるの大変そうなのでお断りですね。」
「そっか、残念だな。じゃあ最後ユーカ!まぁ結果は知れてるけどな。」
私の番だ。
「・・・お前、146か。え、146?まじで?頭おかしいのか?それとも俺がおかしくなった?」
へへん。まぁそれなりに頭のいい高校には通ってたからね。
でも思ったより高かったなー。ちょっと嬉しい。
「でしょ?私って案外頭いいんだよ!」
「いや、それどころじゃないから。マリアと国王の方見てみ?」
そう言われて横を見ると、2人とも顔を真っ青にさせながら何か呟いていた。
「5・・・5歳児に国を取られる・・・」
「学校行く意味・・・あります?」
「いや、2人とも!!国なんてとりませんし、学校にも行きますから!友達いないまま成長したくありませんから!」
その声に、2人は
「そ、そうだよな・・・5歳だもんな・・・国政なんて分からないよな・・・」
「そ、そうですね・・・友達なんて1000人ぐらい、軽くできてしまうのではないでしょうか・・・」
と言いながら復活した。
「2人とも、つまりユーカはこのくらい頭が良いってことだ。下手なこと言うとすぐ間違いを指摘されるからな。あと、ぶっちゃけるとこいつこれからすげぇ成長するし、まぁ子供だから当たり前だけど、魔力量とかすぐ伸びるから。政治利用とか、軍事利用とかされそうになったら俺もだし、アルとメルも多分許さないかんな?OK?」
「「は、はい!」」
いや、そんな大袈裟な。
「よろしい。じゃ、帰ろうぜ!・・・んー、よし、ユーカ、転移のやり方を教えてやる。俺からのささやかなアドバイスだな。」
「転移?」
「あぁ。ま、やり方っつっても、一緒に転移したい人と手を繋いで、行きたいところを思い浮かべればいいだけだけどな。多分、写真とかで見ればどこでも行けるんじゃねぇ?今回は初めてだから『転移!』っていえば感覚も掴めると思うぜ。あと、怖いから最初は1人でな。ってな訳で、マリアはちょっと待ってろ。あ、俺も後からついてくから、変なとこ来ちまっても心配すんなよ!」
「う、うん、わかった。転移!」
すると、あたりが突然白く光った。
思わず目をつぶると、すぐに光は消えた。
目を開けると、そこは今朝私のいた寮の食堂だった。