第10話 試験と算数の詩
投稿するのすごく遅くなっちゃいましたね、ごめんなさい。ちょっとココ最近忙しくて死にかけてました。でもきっとこれからもこれより遅くなったりします。
そして私とマリア学院長は学力テストの会場へと向かった。
「着きました、ここです。」
そう言われてドアを開けた先に待ち受けていたのは、まるで前世の教室のような場所と、何人かの生徒がテストを受けている姿だった。
「あれ?人がいるのですが・・・」
「あぁ、魔力量を測り終えた人から学力テストを行っているのです。テストは普通のペーパーテストですし、この会場では魔法も使えないようになっているので問題ありません。・・・ユーカさんなら破れそうな気もしますが、決してそんなことはしないでくださいね?」
「え、あ、はい、もちろんしません。」
「それなら良かったです。では、こちらの席へどうぞ。」
案内された席は、1番後ろの左端の席だった。
私が座ると、マリア学院長は懐から1冊の冊子を取り出した。
よく見ると、それには「入学試験用学力テスト」と書いてある。
ざっと30ページぐらいあるようにみえるので、制限時間がどれくらいかは知らないが、とてつもない集中力が必要そうだ。
・・・これ、5歳児には大変ではないか?
「あの、これの合格点は何点ぐらいなのですか?」
「合格点ですか?・・・そうですね、今回の学力テストの満点は300点ぐらいなので、ユーカさんの魔力量だと60点が取れれば1番上のクラスに余裕で行けますね。」
へー、そんなものなのか。
・・・いや、これの内容がとてつもなく難しいのかもしれない、油断は禁物だ。
いや、マリア学院長は「職業勇者だから入学は確定」と言っていたな。
・・・ま、まぁ、とりあえず頑張ろう。
「では、始めます。制限時間は3時間です。健闘をお祈りしていますよ。」
・・・3時間!?それくらい難しいのか。
心してかからねば。
そう思い、問題用紙を捲る。
(よし、最初の問題は・・・1+1か、これは2だな。次、5+7か、これは12、4.1+9.6=13.7、16-4=12で・・・)
そして私はその後も順調に問題を解いていく。
(3+○=4だから○に入るのは1、8÷2=4、13○14だと○に入るのは<・・・あれ、これ、すごい簡単だ!・・・というか、これ、算数のテストだよね、こんなので本当にいいの?)
そう思いながら問題を解いていくと、ついに最後のページになった。
(やっと最後のページかぁ・・・問題は簡単だったけど、問題数が多かったなぁ。・・・ん、これは少し難しそうだな。)
問題には、「3cm、5cm、6cmの辺を持つ三角形の面積を求めなさい」とあった。
(うーん、これは・・・あ、そういえば高校でやったことある!確か「ヘロンの公式」っていうのを使うんだよね、えっと、3、5、6をこれに当てはめると・・・56cm²だ!よし、これで終わった!時間になるまで、見直しでもしてよう・・・あ、そういえばあとどのくらい残っているんだろう?)
そう思った私は時計らしきものを探す。
少しの間周りを見回すと、自分の隣にある砂時計が目に入った。
(あ、そうか、1人ずつ時間を測るのって面倒だもんね。えっとー・・・。)
私の隣にある砂時計は、まだ砂がほとんど落ちていなかった。
(え?あれ?あの問題数だし、結構時間たってると思ったけど・・・いやいや、さすがにこれはおかしすぎでしょ!!・・・でも、んー、ま、いっか。)
ふと気になったので周りを見てみると、先ほどよりも人が何人か増えていた。
しかし、私よりも前からいた人はまだ終わっていないようだ。
(んー、これってそんなに難しいかな?まぁ、最後の問題だけ異質な感じはしたけど・・・)
しばらくキョロキョロしていると、マリア学院長がこちらの方へ向かってくるのが見えた。
「ユーカさん、どうしたのですか?」
「あ、マリア学院長。あの、この砂時計、砂が落ちるのが遅い気がするのですが・・・」
「・・・そうですか?まぁ、3時間計るためのものですからそう感じるのも普通でしょう。」
「いえ、あの、そういう事ではなく・・・私、もうテストが終わったのですが。」
「そうですか、分かりました。・・・え?もうですか?」
「はい。」
「今年のテストは特に難しいと評判です。まぁ、このテストは20点取れれば合格は出来ますから、気を・・・え、これ、全部埋まったんですか?」
「はい!」
「えっと、その、どうでした?」
「1番最後の問題は少し難しかったです。」
「少し、難しい?」
「はい。でも、考えたら解けたので良かったです。」
「そ、そうでしたか・・・」
マリア学院長はしばらく絶句していたが、すぐに
「分かりました。では、早急に採点するのでこちらへどうぞ。」
と、どこか別の場所に案内してくれた。
案内してもらう途中、
「そういえば、先ほど早急に採点すると言っていましたが、合格発表はその日に行われるのですか?」
「いえ、普通は翌日が合格発表なのですが、ユーカさんのテストは早急に採点するように勅命を受けておりますから。」
「そ、そうなんですね・・・」
王様、そんなに私に興味があるのかなぁ。
「あの、どうして私だけなのですか?」
「それは、ユーカさんがこの国・・・いえ、この大陸が始まって以来の職業勇者だからです。やはり、初めてなので、ほかの勇者とのステータスの差などを研究したいのでしょうね。」
「そ、そうなんですね・・・」
「あ、言い忘れていました。明日、テスト結果を持って王宮に行きます。」
「そうなんですね!お気をつけてください!」
私がそう言うと、マリア学院長はキョトンとした顔をした。
「何を言っているのですか、ユーカさんも一緒に行くのですよ。」
「わ、私もですか!?」
「はい。何しろ、勅命ですから。ユーカさんの合格は確実ですので、今日からは寮に住むことになります。明日の朝迎えに行きますので、それまでに準備をしておいて下さいね?」
「は、はい!」
ユーカ=ロレイン、七瀬優香だった前世も含めて22年生きてきて初めて、自分のいる国の元首と生で喋ります。
タイトルに驚愕って付けようとしたらダブってて使えませんでした。
王様、優しい人だといいですね。まぁ、キャラ設定考えるの私なんですけど。




