表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/46



「あのなぁ。なにもこの忙しい時にそんなもん見つけてくることないだろ」


 青年は困ったように顔をしかめた。黒髪痩躯の青年。全身黒づくめで、頭には中途半端にターバン? を巻いている。そのため見様によっては包帯を巻いているようにも見える。そして右目には黒い革製の眼帯。


 どこからどう見ても悪党然としたチンピラである。


「問題でしたか?」


 葡萄色の外套に身を包んだ小柄な少女が、目の前でだらしなく椅子に座っている青年に答えた。

 白い顔、白い髪、金色の瞳をした少女は、瞬きもせずに青年を見つめていた。


「問題っつーか、人手が無いんだよ。俺もいまはここを離れられないしな。お前に調べて来いって云っても無理だろ?」

「はい。私ではさっぱりです」


 悪びれもせず、少女は無表情のまま答えた。


「調査なんざ、お前さんの専門外だしなぁ。……しょうがね、連中の誰かに調べに行かせるか。場所も場所だし、実戦のひとつふたつあるだろ」


 そんな無茶なことを云いだした青年に、少女が珍しく苦笑いを浮かべた。彼女、ギャロットが感情を表に出すことは滅多にないのだ。そもそも実戦などピクニック気分でやるものではない。下手をすると命を落とす。


「ガオ!」

「はい、ここに」


 ギャロットのすぐ隣に、突如として少年が現れた。褐色の肌に黒髪。そして少女と同じように金色の目。だがなによりも目立つのは、耳のやや後ろあたりから生えている一対の角。後方に向け、天を目指すように伸びている。


「連中はいまどうしてる?」

「はい。シビル様は例の本の修復中。

 リュリュ様はマスターの出された課題に掛かり切り。

 エリザベスさんとエルマイヤさんは、サラサさんに同行。エルゴ湿原に現れた暴魔退治に強制的に連れていかれました。

 アシュリーさんとジゼルさんは塔にて格位試験中。明後日終了予定です。

 キャロルさんはミディン様の下で、傀儡操作の訓練中です」

「なんだよ。調査にいけそうなのはミディンだけかよ。つか、サラサはいったい何やってんだ。誰かついて行ってるか?」


 いうなり青年は呆れたようにため息をついた。


「レーダが影から護衛しています」

「レーダって、過保護すぎだろ。一度全員の配置を見直さないとダメだな。まぁいいや。それじゃガオ、ミディンとキャロルを呼んできてくれ。仕事だ」

「かしこまりました」


 いうやガオは姿を消した。次いでギャロットも一礼すると姿を消した。


「さてと、あいつらに持たせるものの準備でもすっかね」


 青年は立ち上がると、乱雑に各種薬品が並べられた棚へと向かった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ