新たな出会い
オオカミさんたちが狩りに行った。
クマさんがジャガイモを収穫している。
やることがない…………
「くまぁ」
くぃくぃ……
なんだろう………クマさんが私のスカートを引っ張っている。
なにか、用があるのかな
あっ、はいついていきますよ………だからクマさん、スカートを引っ張らないでね………脱げちゃうから
クマさんについていくと樹木の城壁を越えてしまった………こんな外まで何かあるのかな
あれ?
気のせいだろうか、クマさんが10匹で金髪美少女をボコっている。
幻覚だろうか………いや現実だな……それにしても、あの女の子、黒の豪華そうなドレスを着ている。もしかして、地位の高い人かお金持ちなのかな………う~ん、不思議だな
「ちょっと、そこのあなた眺めてないで助けてください。」
少女が、こちらに助けを求めている………う~ん、私はクマさん側だからな~
それにしても、高校生ぐらいだろうか………
「「「「「くまぁ………くまぁ!!!」」」」」
クマさんが、どう戦利品だよとばかりに、女の子に群がりながらポージングしてくる。
かわいいなぁ~
「ちょっと、なに幸せそうな顔をしているんですか。本当にお願いですから助けてぇ」
「YES、しょうがないなぁ。クマさん、その子から離れて」
「「「「くまぁ!!!」」」」
クマさんが私の指示で、女の子から離れていく。
うん、えらいえらい、さすが家の子だ。忠実なクマだ。
「あなた、何者ですか。森の殺戮獣と名高い鬼熊を従えるなんて」
「んっ、鬼熊?」
「あなた、何も知らないで鬼熊を従えていたんですか?」
「ん~ん、私としてはただのペットだし」
なんだか、女の子が信じられないものを見たような、目を見開いて、私を見つめている。
なんだろう、化け物を見たような怖れを含んだ視線だ。
「ねぇ、あなた何て名前なの。あぁ、ちなみに私はミラ・カンザキね」
「えぇと、私はアリューシャと申します。」
「へぇ、アリューシャね。唐突なんだけど、うちに住まないかな。話し合える人がいなくて寂しいからさ」
「えっ………こんなわたしを住まわせてくれるのですか?」
「なにか問題でもあるのかな?」
「え~とですね、わたしは吸血鬼で人々から忌み嫌われる存在です」
「ふ~ん、私はさ、そんなのどうでもいいんだよね。アリューシャがほしいだけよ」
「ありがとうございます。ふつつかものですが、どうぞよろしくお願いいたします」
アリューシャをゲットしたこれで、話し相手ができた。
よかった、クマさんやオオカミさんは言葉は通じても、話し合うことはできないからね。それに、わたしはこの異世界の知識には疎いから、この世界の住人であるアリューシャがいれば役に立ってくれるに違いない。