地学部の発足
今回の中間テストは大した話題もないので、省略する。
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鶏庭子が放課後、街を歩いていると偶然、中学校のときの同級生だった鶏の阿良加奈加奈に出会った。
阿良加奈は鳥カツ高校に通っている。
そして、阿良加奈は曲がった棒のようなものを持っていた。
庭子「あ、あろうかなかなゼミちゃん、久しぶりフガ」
"あろうかなかなゼミちゃん" というのは、「カナカナ」の後に「セミ」をつけた愛称である。
阿良加奈 加奈「あ、久しぶりホゲ」
庭子「その、棒のようなものは何フガ?」
阿良加奈 加奈「そんな、ボウ だなんて、英語で言わないで、日本語で言ってよホゲ。
これは弓道の弓だよホゲ」
庭子「棒って弓っていう意味なのフガ?」
阿良加奈 加奈「何、ぼうってしているのホゲ? 英語のビー・オー・ダブリュー(bow)は弓っていう意味だよホゲ」
庭子「そういうことかフガ。そう言えば、かなかなゼミちゃんは、高校に行ったら弓道をやると言っていたよねフガ」
阿良加奈 加奈は、なにやら弓道の弓を射る格好をし出した。
「射法八節って言うんだよホゲ。こうやって、シュッと放つんだよホゲ」
庭子「へえー、かっこいいフガ」
阿良加奈 加奈「今は夏休みで、大体毎日部活があるんだホゲ。」
庭子「うちの高校は夏休みってないんだフガ。」
阿良加奈 加奈「えっ、ただ高は夏休みがないのホゲ?」
庭子「そうだよフガ」
阿良加奈 加奈「ところで、庭子ちゃんは何部に入っているのホゲ?」
庭子「何部って・・・うちの高校は、部活動なんてあったっけフガ?」
阿良加奈 加奈「部活がないのホゲ? ナイナイ尽くしだねホゲ。
でも、部活動がないなんて寂しくないホゲ?」
庭子「うーん、考えたことないなあフガ。けれど、弓道とかやったほうがいいのかなフガ?」
・・・・次の日
庭子「ねえ、雉くん、雉くんはもし、部活やるとしたら、何部がいいフガ?」
雉「なに、藪から棒にケンケン」
庭子「例えば、弓道部とかどうフガ?」
雉「なんで僕が弓道部ケンケン?」
庭子「だって、雉くんの雉の字には『矢』が入っているしフガ。
確か柏市の文化会館の近くに弓道場があるよフガ。
あと、矢の羽が壊れたら、自分の羽を抜いて使えばいいフガ」
雉「雉の字には『矢』が入っているという理屈なら、庭子ちゃんは『庭』の字が入っているから庭球部ってことケンケン?」
庭子「庭球部フガ?」
雉「テニスのことだよケンケン」
庭子「・・・うーん、私、そんなに運動神経よくないしフガ」
雉「僕はやっぱり、地震に関心があるから、やるとしたら地学部にしようかなケンケン」
庭子「地学部かフガ。いいなフガ。私は中生代の化石が掘りたいなフガ」
雉「中生代の化石ケンケン? 恐竜か何かケンケン? それは難しいと思うよケンケン。でも、僕と庭子ちゃんの2羽で、地学部を作ろうかケンケン。」
庭子「いいねえフガ」
・・・・
庭子「ねえ、燕くんも地学部に入らないフガ?」
燕「僕はそうだなあ、もしやるとしたら、演歌部かなチュピ」
庭子「地学部では、兼部もOKだよフガ」
燕「そうだなあ、じゃあ、名前だけでも入部しておこうかなチュピ」
こうして地学部が発足した。




