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庭子の宇宙観

雉「ちょっと、充電するのに時間がかかるんだケンケン。

 悪いけど、初飛行は来週にしようケンケン」


庭子「いいよ、フガ。

 でも、私のためにいろいろありがとうフガ」


・・・・


7月7日の夕方、庭子はおうちの庭に出て、空を眺めていた。


庭子「早く空が暗くなって、七夕(たなばた)のお星様が見えないかなフガ」


(にわとり)(にわ)()(ろう)(庭子パパ)「庭子、何を見ているのコケ?」


庭子「早く日が沈んでお星様が見えないかなあと、フガ」


庭太郎「まあ、今は日が長いから、なかなか日が沈まないよねコケ」


庭子「日が長いって、どのくらい長いのフガ」


庭太郎「どのくらいって、日が沈むのは大体午後7時頃だねコケ」


庭子「そうじゃなくて、何キロくらいになるのフガ?」


庭太郎「何キロ、コケ?」


庭子「長さだよフガ」


庭太郎「長さ、コケ?」


庭子「太陽が長くなるんでしょフガ?」


庭太郎「どういうこと、コケ?」



==庭子の説明==


太陽は、地球の周りを回っている。

1日で一回りする。

下図の通り。(本当は、地球と太陽の間はもっと離れている。)

挿絵(By みてみん)



冬は↓こんな感じ。

挿絵(By みてみん)



夏は↓こんな感じ。

挿絵(By みてみん)


庭太郎「なんだこの、芋虫みたいな細長い太陽はコケ?」


そうすると、夏は夕方になってもなかなか太陽が沈まない。

挿絵(By みてみん)


庭太郎「本当に庭子は面白いことを言うねえコケ。

 漫才師のボケ役になれるよコケ」


庭子「ち、違うのフガ?」


庭太郎「あの有名なトーリ大を卒業したこの鶏庭太郎の娘とは思えない間違いだコケ」


庭子「前も言ったけど、"あの有名な" って言ったって誰も知らないよフガ」


庭太郎「そういう庭子にこそ、トーリ大のパワーを示してやろうコケ」


庭子「太陽が細長くなるから日が長くなるんじゃないのフガ?」


庭太郎「おお、そうだトーリ大ではなく、太陽について話していたんだったコケ。・・・

 庭子の考えだと、北半球が夏のときに南半球が冬になることを説明できないコケ」


庭子「南半球フガ?」


庭太郎「そうだよコケ。

 今頃は南半球は日が短くなって、南極なんて(きょく)()になるんだよコケ。

 ペンギンたちなんて、1日中ずうっと夜の中を過ごさないとならないんだコケ」


庭子「ペンギン、フガ?」


庭太郎「まさか、ペンギンは知っているよねコケ」


庭子「知っているけど、南極にいるってことは知らなかったフガ」


・・・・


庭子「・・・話しているうちに、やっと暗くなってきたフガ。・・・

 えっ、今日は月がとっても明るいフガ。これじゃあ、星がよく見えないフガ」


・・・


庭子は七夕の短冊に「中生代の恐竜の化石がみつかったらいいなあ」と書いた。


・・・


その夜、庭子は、ドローンならぬ「モノコプター」で夜空の星の中を飛ぶ夢を見た。


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