モノコプター1号
雉「じゃじゃーん、これこそが、僕が作った庭子ちゃん用ヘリコプター、名づけて『モノコプター1号』(注)だよケンケン」
庭子「へぇー、凄いなフガ。名前はよくわからないけどフガ」
雉「大きな折り畳み式回転翼を採用したんだケンケン」
庭子「けど、ドローンと言えば、普通、ぐるぐる回るのが4つとか5つとかあると思うフガ」
雉「いい質問ですねえケンケン。
ぐるぐる回るのは、ローターっていうんだケンケン。
本機は、ローターを1つだけという仕様にしたんだケンケン。
まずそもそも、正確に言うとドローンというのは、誰も乗らないものを言うんだケンケン。
だから、誰か乗るのはドローンとは呼ばないんだケンケン。」
庭子「けど、雉くんはこれまで散々ドローンという言葉を使っていたと思うよフガ。
『とっても自信があるドローン』って言っていたと思うけどフガ。
まあ、それはともかく、ローター、っていうのが1つで大丈夫なのフガ?」
雉「ローターをいくつも使うと、折り畳みも面倒だろケンケン?
それになんで世間にあるドローンでローターをいくつも使うかというと、
それはモーターの信頼性だケンケン」
庭子「信頼性フガ?」
雉「そうだよケンケン。
僕が開発したモーターは世界に誇れるものなんだケンケン。(ドヤ顔)
あの、マブチモーター(注)に比肩するとも言われるんだケンケン。
世の中にあるドローンがなんでローターをいくつも使っているかと言うと、
モーターの信頼性が低いので、飛行中に
そのうちの一つ二つのモーターが故障しても、
落ちないようになっているんだケンケン。
だけど、このモーターは信頼性が高いから大丈夫なんだケンケン。」
庭子「まあ、説明はいいからフガ。」
雉「記念すべき初飛行をやるよケンケン。
では先ずドローンを背負って・・・と、間違えた、『ドローン』じゃなくて、
モノコプター1号だったケンケン。」
庭子「雉くん、大丈夫フガ?」
雉「さあ、モーターを始動するよケンケン。」
庭子「がんばって、フガ」
雉「あれっ、あれっ、ケンケン?」
庭子「どうしたのフガ?」
雉「モーターが動かないんだケンケン。・・・
そ、そうだ、充電し忘れたケンケン。」
―――
【注釈】
「モノコプター」:雉は説明していないが、ローターが1つなので、「一つの」を意味する「モノ」という言葉を付けたのだと思われる。(モノレールなどのモノと同じ。)
「マブチモーター」:千葉県松戸市に本社のある小型モーターの会社。尤今回のようなモーターを小型モーターと言うかは知らない。




