サギラックのヘロン先生
朝、手賀沼のほとりで――
雉が登校している途中。
蒼鷺が雉を呼び止めて言った。
蒼鷺「そちらの雉くんゴア」
雉「なんで僕の名前を知っているんですかケンケン」
五位鷺「見るからに『キジ』なのでグワ」
蒼鷺「・・・じゃなくって、雉くんはあの優秀な生徒さんが集まっているというあの高校の中でも最優秀だと地元の評判になっているんだゴア。」
雉「ゆ、優秀だなんて・・・ケンケン」
雉は、恥ずかしがって頬を赤くしながら下を向いた。
見ている鳥はちゃんと見ているんだな・・・と雉は思った。
雉「ところで、どのようなご用件でしょうかケンケン」
蒼鷺「ちょっと、2、3分いいかなゴア。」
雉「ええ大丈夫ですケンケン。まだ余裕があるんでケンケン。」
蒼鷺「おっほん、自己紹介をさせてもらいますゴア。
私はサギラックの会長、グレイ=ヘロンですゴア。」
五位鷺「私は助手のナイト=ヘロンですグワ。
グレイ=ヘロン先生は、あの有名な『ヘロンの公式』を考案した大天才なんですグワ。」
雉「まさか、あ、あの数学の授業で習った・・・あの、有名な公式を考案した先生ですかケンケン?」
蒼鷺「私たちは、ヘロンの公式の保護・普及に努めておりますゴア。」
雉「そ、そうなんですかケンケン。きょ、今日はなんて光栄な日でしょうケンケン。」
五位鷺「ではこの箱を教室に設置してほしいと思いますグワ。」
五位鷺は、上に小さな穴の開いた箱を雉くんに渡した。
雉「この箱は何ですかケンケン?」
五位鷺「ヘロンの公式を使うたびに、ここに1回100円を入れていただくんですグワ。」
雉「ど、どういうことでしょうケンケン。」
五位鷺「ヘロンの公式には、著作権があるから、ヘロンの公式を使うときは著作権料がかかるんですグワ。」
雉「で、でも、ピタゴラスの定理とか、使うときにいちいち払って来なかったですケンケン。」
蒼鷺「さーすが、優秀な生徒さんは質問がすばらしいゴア。
でも、ピタゴラスが生きていたのは大昔だから、もう著作権が切れているんだゴア。」
雉「なるほどケンケン。」
蒼鷺「残念ながら、お金を払わずにヘロンの公式を無断で使う生徒さんがいるようなんだゴア。
それはれっきとした犯罪なんだゴア。」
雉「そうなのかケンケン。」
蒼鷺「だから雉くんには、クラスメートを犯罪者にしないために、クラスメートを監督してほしいんだゴア。」
雉「そうしますケンケン。」
五位鷺「お金がたまったら回収してサギラックまで持ってきてくれたらありがたいですグワ。雉くんにはアルバイト代として、回収金額の10%を渡しますグワ。」
雉「わかりましたケンケン。」
蒼鷺「これが連絡先なんだゴア。何か相談ごとがあったらいつでも電話をくれてねゴア。」




