表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/164

中間テスト その3

スズメ先生「1時間目は数学だチュン」


問題用紙を配るスズメ先生。


・・・


スズメ先生「さぁ、始めチュン!」


(きじ)(ばと)「先生、解答用紙が配られていませんボーボーッポッポー ボーボーッポッポー ・・・」


雉鳩くんの鳴き声で、みんな立ち上がってゆらゆらと踊り出した。

雉鳩くんの鳴き声は、鳥たちをゆらゆら踊らせる作用がある。


スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「き、(きじ)(ばと)、鳴くのをやめろチュン。今は試験時間中だチュン」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


(ひよどり)(ゆらゆら踊りながら)「だけど、解答用紙が来てないので、試験の開始は無効ですピーヨ」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


(きじ)(ゆらゆら踊りながら)「いいんだよ、雉鳩くん、気が済むまで鳴いていいんだよケンケン」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「雉ぃ、ここは友達として、『試験時間中だケンケン。鳴くのをやめろケンケン』と注意するのが本当の友達ではないのかチュン。踊った分のアディショナルタイムは認められないぞチュン」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


(つばめ)(ゆらゆら踊りながら)「アディショナルタイムも何も、試験の開始は無効だと思いますチュピ。」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「今は試験時間中だ、話すのはダメだチュン」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


鵯(ゆらゆら踊りながら)「だけど、先生は、『「試験時間中だケンケン。鳴くのをやめろケンケン」と注意するのが本当の友達ではないのかチュン』と言いましたピーヨ」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


燕(ゆらゆら踊りながら)「『「試験時間中だケンケン。鳴くのをやめろケンケン」と注意するのが本当の友達ではないのかチュン』というのは、試験中に、雉くんに対して、発言することを勧めているという根本的な矛盾が生じていますチュピ」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


燕(ゆらゆら踊りながら)「この矛盾は、試験が開始している、という仮定から生じたものであるチュピ。ということは、(はい)()(ほう)により、試験は開始していないチュピ」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「悔しいが、わかったチュン。雉鳩が鳴きやんだら、解答用紙を配るチュン。そうしたら試験開始だチュン」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「いつまで鳴いているんだチュン」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


雉(ゆらゆら踊りながら)「これは生理現象だから、自分の意思では止められないのではケンケン。先生だって『チュン』を付けずに話すことはできないはずケンケン」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「そんなことはない・・・チュン。

 『チュン』を付けずにしゃべることはできる・・・チュン。

 だめだ、チュン。どうしてもチュンが付いてしまうチュン。」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


雉(ゆらゆら踊りながら)「そもそも問題の発端は、先生が解答用紙を配らなかったことにあるのではケンケン」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「雉鳩ぉ、確かにクラスメートたちは優しいチュン。

 だが、今後の人(?)生において、テスト中に鳴き声が出ないように、テスト前に鳴いておかないとチュン」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「じゃあ、もういいチュン。みんなで、踊りながら試験を受けろチュン。」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


燕(ゆらゆら踊りながら)「第二問は、2次方程式の解と係数の関係を使えば解けるチュピ」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「だから、試験中にしゃべるなっていっているだろチュン」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


燕(ゆらゆら踊りながら)「まだ解答用紙が来てないので、試験は開始してないと思いますチュピ」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「ぬぬぬ・・・悔しいチュン。」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


大葦切(おおよしきり)(ゆらゆら踊りながら)「あれっ、雉鳩くんの声を聞いていると、利き手じゃないほうの手が自然にサインカーブを描く行行子(ぎょうぎょうし)


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


大鷹野(おおたかの)(ゆらゆら踊りながら)「(さす)がは新人君キッキッ。」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「だが、そうは問屋(とんや)(おろ)さないチュン。

 第五問は sin(サイン) x のグラフではなくて cos(コサイン) x のグラフをかけ、だチュン」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


燕(ゆらゆら踊りながら)「cos x は sin x のグラフをずらしてかけばいいんだチュピ」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「とにかく早く解答用紙を回せチュン。ちなみに、その場で解答用紙をクルクル回すとかいうオチは禁止だチュン。

 これじゃあ、中間テストがいつまでも始まらないだろうチュン」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


(ひよどり)(ゆらゆら踊りながら)「ちなみに、先生、中間テストがいつまでも始まらなくて、『これじゃあ、期末テストとくっつけちゃおうチュン』とかいうオチはダメですよピーヨ」


雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」


ちなみに、雉鳩くんの鳴き声が雉鳩くん自身を踊らせる作用があるかどうかは不明である。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ