中間テスト その3
スズメ先生「1時間目は数学だチュン」
問題用紙を配るスズメ先生。
・・・
スズメ先生「さぁ、始めチュン!」
雉鳩「先生、解答用紙が配られていませんボーボーッポッポー ボーボーッポッポー ・・・」
雉鳩くんの鳴き声で、みんな立ち上がってゆらゆらと踊り出した。
雉鳩くんの鳴き声は、鳥たちをゆらゆら踊らせる作用がある。
スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「き、雉鳩、鳴くのをやめろチュン。今は試験時間中だチュン」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
鵯(ゆらゆら踊りながら)「だけど、解答用紙が来てないので、試験の開始は無効ですピーヨ」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
雉(ゆらゆら踊りながら)「いいんだよ、雉鳩くん、気が済むまで鳴いていいんだよケンケン」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「雉ぃ、ここは友達として、『試験時間中だケンケン。鳴くのをやめろケンケン』と注意するのが本当の友達ではないのかチュン。踊った分のアディショナルタイムは認められないぞチュン」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
燕(ゆらゆら踊りながら)「アディショナルタイムも何も、試験の開始は無効だと思いますチュピ。」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「今は試験時間中だ、話すのはダメだチュン」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
鵯(ゆらゆら踊りながら)「だけど、先生は、『「試験時間中だケンケン。鳴くのをやめろケンケン」と注意するのが本当の友達ではないのかチュン』と言いましたピーヨ」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
燕(ゆらゆら踊りながら)「『「試験時間中だケンケン。鳴くのをやめろケンケン」と注意するのが本当の友達ではないのかチュン』というのは、試験中に、雉くんに対して、発言することを勧めているという根本的な矛盾が生じていますチュピ」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
燕(ゆらゆら踊りながら)「この矛盾は、試験が開始している、という仮定から生じたものであるチュピ。ということは、背理法により、試験は開始していないチュピ」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「悔しいが、わかったチュン。雉鳩が鳴きやんだら、解答用紙を配るチュン。そうしたら試験開始だチュン」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「いつまで鳴いているんだチュン」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
雉(ゆらゆら踊りながら)「これは生理現象だから、自分の意思では止められないのではケンケン。先生だって『チュン』を付けずに話すことはできないはずケンケン」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「そんなことはない・・・チュン。
『チュン』を付けずにしゃべることはできる・・・チュン。
だめだ、チュン。どうしてもチュンが付いてしまうチュン。」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
雉(ゆらゆら踊りながら)「そもそも問題の発端は、先生が解答用紙を配らなかったことにあるのではケンケン」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「雉鳩ぉ、確かにクラスメートたちは優しいチュン。
だが、今後の人(?)生において、テスト中に鳴き声が出ないように、テスト前に鳴いておかないとチュン」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「じゃあ、もういいチュン。みんなで、踊りながら試験を受けろチュン。」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
燕(ゆらゆら踊りながら)「第二問は、2次方程式の解と係数の関係を使えば解けるチュピ」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「だから、試験中にしゃべるなっていっているだろチュン」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
燕(ゆらゆら踊りながら)「まだ解答用紙が来てないので、試験は開始してないと思いますチュピ」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「ぬぬぬ・・・悔しいチュン。」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
大葦切(ゆらゆら踊りながら)「あれっ、雉鳩くんの声を聞いていると、利き手じゃないほうの手が自然にサインカーブを描く行行子」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
大鷹野(ゆらゆら踊りながら)「遉がは新人君キッキッ。」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「だが、そうは問屋が卸さないチュン。
第五問は sin x のグラフではなくて cos x のグラフをかけ、だチュン」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
燕(ゆらゆら踊りながら)「cos x は sin x のグラフをずらしてかけばいいんだチュピ」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
スズメ先生(ゆらゆら踊りながら)「とにかく早く解答用紙を回せチュン。ちなみに、その場で解答用紙をクルクル回すとかいうオチは禁止だチュン。
これじゃあ、中間テストがいつまでも始まらないだろうチュン」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
鵯(ゆらゆら踊りながら)「ちなみに、先生、中間テストがいつまでも始まらなくて、『これじゃあ、期末テストとくっつけちゃおうチュン』とかいうオチはダメですよピーヨ」
雉鳩「・・・ボーボーッポッポー ボーボーッポッポー・・・」
ちなみに、雉鳩くんの鳴き声が雉鳩くん自身を踊らせる作用があるかどうかは不明である。




