中間テスト その1
庭子の話に戻ります。
帰りのショートホームルームで――
スズメ先生「言い忘れていたが、明日から中間テストだチュン」
なんでずっと前に言ってくれなかったんだ。
先生はいつも突然言う。
中間テスト第一日の朝、おうちで――
庭子「あ、しまった、寝坊したフガ。
なんでお母さん起こしてくれなかったのフガ。」
庭子ママ「なんでって、起こしても起こしても起きなかったでしょうホゲ」
庭子「きょ、今日は中間テストなんだフガ。遅刻しちゃうよフガ。」
・・・
と、そこへ、大鷹野鷹子が学校に向かって空を飛んでいるのが目に入った。
庭子「鷹子ちゃーん、たすけてぇ、フガ」
「庭子ちゃんキッキッ? どうしたのキッキッ」と、庭子の前に降りてくる鷹子。
庭子「ち、遅刻しちゃうよフガ。お願い、学校まで私のこと、乗せてってフガ」
鷹子「遅刻って・・・、まだ20分もあるよキッキッ」
庭子「20分じゃ、私、遅刻しちゃうよフガ」
鷹子「じゃあ、背中に乗ってキッキッ」
鷹子の背中に乗る庭子。
庭子「学校に着くまで、一緒にテスト勉強の復習しようよフガ。じゃ、問題出すよフガ」
鷹子「乗ったキッキッ? ちゃんと掴まってねキッキッ」
ジャンプして、急上昇する鷹子。
庭子「うわぁ、すごーい、おうちがあんなに ちっちゃくなっちゃったフガ。」
(実は鷹に乗るっていうのは正夢なんだが、そんな夢を見たのは庭子は忘れてしまったかもしれない。)
庭子「 ・・・畑も川も駅も手賀沼も見えるフガ。
航空写真みたいに見えるフガ」
鷹子「『航空写真みたい』って当たり前でしょキッキッ」
庭子「上から見るのって、おもしろーいフガ」
・・・
と、思ったらすぐ学校に着いた。
窓から教室に入る鷹子。
庭子「なんでこんなに早く着いたのフガ! 復習できなかったでしょうフガ」
鷹子「これ、普通だよキッキッ。『乗せてってフガ』って言うから乗せたんでしょキッキッ。
早く着いたなら、その分、勉強できるでしょうキッキッ。」
庭子「そっかフガ。鷹子ちゃん、ごめんなさいフガ」




