ランサムウェア
鷺の詐欺師たちが、コロニーと呼ばれるアジトで話している。
蒼鷺「五位くん、例の鶏庭太郎は、最近、どんな様子だゴア?」
五位鷺「東葛飾復興協会とかいうものを設立して、そこの協会長とやらをやっているらしいですグワ。
ここは、融資詐欺をしかけてみましょうかグワ。」
蒼鷺「いや、ラ、・・・ランサムウェアだゴア」
五位鷺「そ、そうですかグワ? リーダー、ランサムウェアっていうのは詐欺なんですかグワ?」
蒼鷺「ていうか、ランサムウェアって、最近はやっているらしいので、ちょっと、やって見給えゴア」
・・・・
五位鷺「ランサムウェアが完成しましたグワ」
蒼鷺「で、そのランサムウェアとやらを、軽く説明して見給えゴア。自分の口で、説明することも、勉強だゴア」
五位鷺「ええとぉ、色々ありますが、今回作ったのは、ファイルを暗号化して、『暗号を解除したいなら金を払え』ってな感じの典型的なヤツですグワ」
蒼鷺「す、素晴らしいゴア。遉がに、俺の弟子だけあるなあゴア」
五位鷺「では、早速、ランちゃんをメールに添付して、鶏庭太郎のメアドに送りますグワ」
蒼鷺「『ランちゃん』ゴア?」
五位鷺「『ランちゃん』っていうのは、今回作ったランサムウェアのことですよグワ」
・・・
五位鷺は、自分のパソコンの画面を見ながら言った。
五位鷺「ヤツがなんの疑いもなく、添付ファイルを開いたようですグワ。
ランちゃんから信号が送られてきましたグワ」
蒼鷺「そのランちゃんとやらは、ヤツのパソコンの画面の様子も送ってくるのかゴア?」
五位鷺「よくぞ訊いてくれましたグワ。今、この画面上にヤツのパソコンの画面が表示されておりますグワ。この後すぐ、脅迫文が表示されますグワ。練りに練って、ヤツがオロオロと遽えるような脅迫文を考えましたグワ。
・・・
あ、あれっ、あれっ、・・・グワ?」
蒼鷺「どうしたゴア?」
脅迫文のはずが
「、ェオメヘヘ、ホ・ユ・。・、・・ナケ豐ス、キ、゛、キ、ソ」
と表示されている。全く読めない。
五位鷺「きょ、脅迫文も暗号化されて表示されてしまいましたグワ。」
蒼鷺「これじゃ、ヤツが読めないだろゴア!」




