キジバト印の牛乳
庭子「私本当に鳥に生まれてよかったフガ。
まあ、欲を言えば、もっと飛べたほうがよかったけどフガ。
あんな、哺乳類なんて、溝鼠の仲間なんて死んでもなりたくないフガ」
鵯「本当だピーヨ」
「だからあんな牛乳なんて、哺乳類から出てきたものなんて飲まないんだフガ。」
「まあ、それはちょっと言い過ぎだと思うけどピーヨ。」
「だって、溝鼠から染み出てきたものだと思うと、口を付けたくもないフガ。」
「それはかなり言い過ぎだと思うピーヨ。
別に牛乳は溝鼠じゃないよピーヨ。」
「しっかし牛乳なんてあんな乳臭いもの、飲むやつ居るのフガ。」
・・・
雉鳩「ぽぅー」
雉「雉鳩君、元気がないねケンケン」
燕「庭子ちゃん、なんか言ったでしょチュピ。」
庭子「別に・・・ただ、牛乳は溝鼠から出てきたようなものだから飲みたくないって言っていただけだけどフガ。」
鷹子「庭子ちゃん、雉鳩くんちはねえ、牛乳屋さんをやっているんだよキッキッ。」
そう、雉鳩くんのお父さんは、ピジョンミルク株式会社という会社を経営していて、
スーパーや学校の自動販売機などにキジバト印の牛乳を卸している。
(ちなみに、以前、雉鳩くんの家族は山に住んでいた関係で、山の麓の酪農家の知り合いも多い。
雉鳩くんのお父さんが鳴いていたら、急に山は「うるっさいんだよゴゴゴー。」と怒り出した。その関係で、今は山には住んでいない。)
「キジバト君、食べ物とか飲み物なんて鳥によって好き嫌いがあるんだから気にしなくていいんだよケンケン」
雉鳩「ぼぅー・・・」
「そ、そうだよ、大抵の鳥は牛乳好きだけど、中には嫌いな鳥も居るんだよチュピ」
「そうなんだ、ごめんなさいフガ。
牛乳、本当は好きだよフガ。
ちょっと、鳥としての結束を高めたいと思って、
言っちゃっただけだよフガ。」
「それって、なんか、国内の支持率が下がったら、外に敵を作る政治みたいで、
あんまり良くないよケンケン」
「キジバト君、ごめんなさい、お詫びに今日、キジバト印の牛乳を10パック買って飲むから許してよフガ」
早速庭子はキジバト印の牛乳10パックを自動販売機で買ってきて、次々に飲み始めた。
庭子「あー、牛乳、おいしいおいしいフガ」
雉鳩「ありがたいけど、そんなに無理して飲むこと無いよボーボーッポッポー ボーボーッポッポー ボー」
・・・
家で――
ゴロゴロゴロ・・・(雷鳴ではない。)
庭子「うーん、なんか今日、下痢して・・・フガ」
庭子ママ「えっ、あしたから野外実習でしょホゲ。野外実習休むホゲ?」
庭子「や、休まないよフガ。どうしても、思い出を作らなくてはならないんだフガ」
庭子の頭の中では、キャンプファイヤーや肝だめしや枕投げのイメージが踊っている。




