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乱数表

庭子「なんだか最近、学校の前に、たくさん数字が書いてあるボードが立っているピヨ。

なんなのピヨ?」


庭子パパ「ただの野球か何かのスコアボードなんじゃないのコケ」


庭子「違うピヨ。学校の前の道路に立っているピヨ。そこで野球はやらないと思うピヨ」


庭子パパ「そうすると、予断は禁物だが、我が地球を侵略しようとする地球外生命体が暗号に使う乱数表かもしれないコケ」


庭子「乱数表ってピヨ?」


庭子パパ「数字がランダムに並んだ表のことさコケ」


庭子「けれど数字は順番に並んでいたよピヨ」


庭子パパ「それは、乱数表ではないと見せかけた乱数表かもしれないコケ」


庭子「けれど地球外生命体も、我々鳥類と同じ数字を使うのピヨ?」


庭子パパ「それはいい質問だコケ・・・

それは、地球外生命体ではないと見せかけているのかもしれないコケ。

これは深刻だコケ。こないだ、どこぞの宇宙電波研究所が、太陽系外惑星に『アホ、バカ、死ね、頭悪い、失せろピピー』などという電波を送ってしまったからコケ。

彼らは怒ったんだコケ。もう侵略に来てしまったのかもしれないコケ。

まさかこんなに早く来るとはコケ。」


・・・


庭子パパは思った。

そうだ、いいアイデアが浮かんだ。

「乱数表ではないと見せかけた乱数表」を、本当の乱数表にすれば、ヤツラを攪乱(かくらん)することができる。

乱れるのは数字ではなくてヤツラというわけさ。

地球に侵略してきた地球外生命体と格闘するのは俺の使命なんだ。

そうか、そういうわけか。きっと天に居る神が俺に地球外生命体と格闘させるようにわざと失業させたのだな。


庭子パパはそんなことを思いながら、使命感に燃えて学校へと「乱数表」の偵察に向かった。


庭子が「たくさん数字が書いてあるボード」と言っていたものは・・・


10個の枠があって、

1、2、3、4、5、6、7、8、9、10

という10個の数が書いてある掲示板だった。


「なんだぁ、これのことかコケ」


それは、ただの選挙のポスター掲示用の掲示板だった。

ほら、よく選挙が近づくと、ポスターを貼る掲示板があるでしょう?


どうってことないポスター用のボードじゃないか。


「千葉県知事選挙ポスター掲示場」と書かれていた。


「3がつ26にち、ち・ば・けん・ち・じ・せん・きょ・・・コケ」

そうか、千葉県知事選挙があるのか・・・


いや待てよ・・・


庭子パパの鶏冠(とさか)の中に、別のアイデアが浮かんだ。



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