ハローワーク
会社を退職する(やめたり、やめさせられたりする)と離職票という紙が会社から送られてくることになっている。
そして、それを持ってハローワークに手続きに行くことになっている。
庭子パパは、離職票が来るまでごろごろぷらぷらのんびりと、くつろぐつもりでいた。
庭子パパは、テレビを見ながら、横になって、ぐーたらしていた。
庭子ママ「何してるのホゲ! 仕事探さないとダメでしょうホゲ!」
庭子パパ「だってまだ離職票が会社から来てないしコケ」
庭子ママ「ダメでしょうホゲ。普通は、離職票が来ないと心配するものでしょうホゲ」
離職票を持ってハローワークに行かないと、失業手当も何も始まらないので、普通は焦るものである。
・・・・
それでも、何日かすると、庭子パパのところに、会社から離職票が送られてきた。
「ちっコケ。遂に送られてきてしまったコケ」
普通は送られてくると安心するものだが、なぜか残念がっている。
庭子パパはハローワークに出かけていった。
・・・
馬橋駅(注)から見てずっと西のほうにハローワークがあるはずだ。
馬橋駅を降りて、20分か、そこいら、まあケッコー歩いたが、ハローワークは見つからなかった。
江戸川の土手に突き当たってしまった。
江戸川の向こうはもう埼玉県か東京都か、とにかく千葉県ではなくなってしまうはずだ。
「あれ、おかしいなコケ。ここら辺にハローワークがあったはずなのにコケ」
記憶を辿ってその辺を探すと、シニアなんとかセンターとか書かれていた。
昔とは変わってしまったか。
ここじゃないのか。まあ、仕方ない。
江戸川の土手に登ってみた。
この土手はちょっとした高さがあって、街並みを見下ろす形になる。
これは気持ちがいい。
普段、高いところなんかには登らない鳥なので、ちょっと高いところに登ると、気持ちよくなってしまう。
土手の上は道になっている。
なんとなーく春の穏やかな雰囲気が漂っている。
これはいい。
なんとなく気持ちよくなって、土手の上を松戸駅の方向へずっと歩いていって、松戸駅から帰ってきた。
・・・
庭子パパがうちに帰ってきた。
庭子ママ「じゃあ、ハローワークで手続きは済んだのホゲ」
庭子パパ「いやあ、馬橋駅からずっと歩いていったら、ハローワークが無くってコケ」
庭子ママ「ちゃんと、場所を調べないとダメでしょうホゲ」
庭子「けどさ、なんでそこだと思ったのピヨ」
庭子パパ「会社を首になったのも今回が最初じゃないしコケ。
そのときは、そこだったんだよコケ」
――――
【注釈】
馬橋駅:常磐線各駅停車の駅(松戸駅と柏駅の間にある駅)。
常磐線各駅停車の松戸駅から柏駅までは、
松戸 - 北松戸 - 馬橋 - 新松戸 - 北小金 - 南柏 - 柏
の順で各駅がある。




