鳥と恐竜の関係
庭子パパは、関係筋の情報として、我が手賀沼の近くにある「鳥の博物館」は、空調工事で1月31日まで休館となっていたが、2月からは再開したらしいという情報を入手した。
・・・
鳥の博物館を見てきた庭子パパは大層満足気だった。
「すばらしい、すばらしい、本当にすばらしい、鳥は本当にすばらしいコケ。
さすが地球を支配しているだけあるコケ。」
「そう、それはよかったホゲ」
「しかも、俺は頭に立派な王冠が載っているコケ。真にすばらしいコケ。」
「しっ、ホゲ。
そんなことは他の鳥の前で言わないほうがいいホゲ。」
庭子ママは嗜めた。
「大丈夫、聞こえてないからコケ。」
「しかし、何はともあれ、鳥類に生まれて本当に幸せだコケ。
犬とか猫とかに生まれなく本当に良かったコケ。」
「しっ、ホゲ。
そんなことは、犬とか猫とか他の動物の前で言わないほうがいいホゲ。」
庭子ママは嗜めた。
「大丈夫、聞こえてないからコケ。」
鳥の博物館には、鳥の起源についても展示があった。
庭子パパはこれを機に、鳥の祖先をずうっと過去に遡っていくとどうなるかについていろいろ調べ始めた。
その結果、鳥の祖先は恐竜だということがわかってきた。
また、詳しく言うと、恐竜の中でも獣脚類というものである。
「我々鳥たちが、恐竜だということを改めて認識したコケ。
恐竜の子供は恐竜なんだコケ。
或る生物が恐竜である場合、その子供は恐竜なんだコケ。
つまり我々というのは恐竜なんだコケ。
数学的帰納法を使ってみたコケ。」
「我々鳥たちが、偉いということを改めて認識したコケ。
恐竜は偉いコケ。
我々鳥は恐竜なんだコケ。
つまり我々鳥は偉いんだコケ。
三段論法を使ったコケ。・・・
トーリ大卒業生のこの俺は賢いコケ」
「前も言ったけど、犬とか猫とか他の動物の前で言わないほうがいいホゲ。」
庭子ママは嗜めた。
「大丈夫、聞こえてないからコケ。」
「だけど、その最初の『恐竜は偉い』というのはどこから来たホゲ。」
「それは、いい質問だコケ。それは、偉いこの俺が言うのだから当たり前だコケ。」
「それは循環論法っていうものよホゲ。」
「鳥の循環器系についてもいろいろ研究されているらしいコケ。」
「循環器系なんて一言も言っていないホゲ。
『偉いこの俺が言うのだから当たり前だコケ』というのは循環論法じゃないか、と言っているのホゲ!」
「そうか、循環論法なんてそんな立派な名前がついていたのかコケ。
鶏冠が立派なだけでなくて、言うことも我ながら立派だなコケ。」
「一応はっきりと言うけど、貶しているつもりなのよホゲ。」
「それなら、まあ敢えてはっきり言うなら、・・・」
庭子パパは徐に切り出した。
「恐竜が偉いのは地球を支配していたからなんだコケ。」
「急に口調がゆっくりになったから何を言い出すのかと思えば、ホゲ。
恐竜は地球を支配していたかという問題と、支配すると偉いかという問題があるけど、『偉いこの俺が言うのだから当たり前だコケ』とか言うのよりはだいぶマシな気がするホゲ。」




