カピバラ
東葛飾復興協会のオフィスにて――
椋鳥椋子「協会長、マザー牧場でカピバラの打たせ湯をやっているそうですジュジュ。
マザー牧場って言うのはご存知ですかジュジュ?」
鶏庭太郎(協会長)「富津市にあるやつだろコケ。」
「そうですジュジュ。で、そのカピバラの打たせ湯の取材に行ってもいいですかジュジュ」
「その、ナントカ薔薇ってどんな薔薇なのコケ?」
「カピバラっていうのは・・・別に花じゃありませんジュジュ。
こういうのですジュジュ」
スマホの画面を見せた。
「なんだ、でかいネズ公か・・・
そんなのの何がいいんだコケ」
「かわいいじゃないですかジュジュ」
「ネズ・・・ネズ・・・口にするのも悍しい、ネズ公の何がかわいいんだコケ。
俺たちは鳥なんだぞ、その自覚があるのか、哺乳類がかわいいだなんてコケ。
いいか、我々の協会の目標は、我が東葛を政令指定都市にし、延いては、我が東葛を、哺乳類がはびこる千葉県から独立させることにあるんだコケ。マザー牧場のネズ公なんて見に行ってどうするコケ」
「協会長・・・ジュジュ」
「どうしたコケ?」
「よかったあ、ジュジュ」
「何がよかったんだコケ?」
「最近、協会長が元気がなかったような気がしたので・・・協会長節が戻って安心しましたジュジュ」




