羽毛二足歩行蜥蜴の結婚
2匹の羽毛二足歩行蜥蜴は、
「じゃあ、取り敢えず、結婚の儀をしよう」
と言って、
ナミイとナギイは、お互い逆方向に柱の周りを回って、互いを褒め称えて、結婚の儀は終わった。
庭子は、あれっ、これって、どこかで聞いたような話だな、と思った。
・・・
そのとき、急に、ドサッっという音がした。
そこには2羽の鳥がいた。
それは、只野柏高校の地学の教師、ハクセキレイ セキ雄先生と、
と、
生物の教師、ハクセキレイレイ子先生だった。
セキ雄先生「ここどこチチチッ?」
庭子「な、なんで先生たちがここにいるのフガ?」
レイ子先生「私たち2羽でいっしょにいたら、なぜか
大きな竜巻が発生して、そこに飲み込まれてしまったのチチチッ」
庭子「なんで、2羽で一緒にいたんですかフガ?」
雉「そういう野暮なことを訊くな、ってケンケン。
男女が一緒にいたらやることは大抵その手のことだろケンケン?」
すると、セキ雄先生とレイ子先生の目に、ナギイとナミイの姿が目に入った。
「あ、この方々は・・・」
庭子「あ、なんかよくわからないけど、葦陰に隠れていたびびり屋な2匹の蜥蜴ですフガ」
セキ雄先生「このお方はね、私たち鳥のご先祖だよチチチッ」
レイ子「私たち鳥の一番おおもとのご先祖様よチチチッ」
庭子「そ、そうなんだフガ。ただの蜥蜴じゃないんだフガ」
ナギイ「えっ、みんなは僕たちの子孫なの?」
レイ子「ちゃんと、ご先祖様の前で正座して・・・チチチッ」
ナギイ「いいよ、そんなに急に畏まらなくて。」
庭子「びびり屋だし、フガ」
雉「それを言うなよケンケン。ご先祖がびびり屋なせいでうちらの命があるかもしれないのにケンケン」
セキ雄「っていうことはここは中生代チチチッ?」
雉「中世じゃなくて中生代ケンケン?
だれか中世って言ってなかったケンケン?」
レイ子「中生代よチチチッ」
中生代と言えば、顕生代のうち、古生代に次ぐ時代だ。
まあ、とにかくものすごく過去に来ているんだ。
燕「ほらこれって、ほらほらほら・・・過去にタイムスリップすると、自分の祖先が子孫を残すか残さないかっていう、よくある話だよチュピ」
鵯「そして、自分の祖先が子孫を残さないと、自分が消えるってやつ・・・ピーヨ」
雉「ははーん、その手のやつかケンケン。
ここまで来るのに随分話が長かったが、結局、意外と安っぽい筋なんだなケンケン。」
庭子「じゃあ、なんとしても、2匹には、『ま・ぐ・わ・い』してもらわないと・・・フガ」
庭子は、ハクセキレイセキ雄先生とレイ子先生に、事情を説明して、
「見本を見せてよフガ」と言った。
「そういうことなら喜んでチチチッ」
ハクセキレイ セキ雄「えへん、こ、これは将来の鳥類と、それから、生物の授業の手伝いだからな、チチチッ」
「そんな、もったいぶった理由を付けなくてもいいのにフガ」
ハクセキレイセキ雄先生がハクセキレイレイ子先生に乗っかって、腰を動かして、ササッっと行為を済ませた。
ナギイとナミイは、目を見開いて「ははーん、ああいうふうにやるのか・・・」と言って、
「よし、目に焼きつけた。」
庭子「ナギイさんとナミイさんにはマグワイしてもらおうフガ。
そして、私たちは自分の時代に帰ろうフガ」
ナギイ「みんな有難う。だけど、もう今日は夕日も落ちて暗くなってきたし、・・・
しばらく僕らと一緒にいたら?」




