続き
「あ、フガ」庭子は気づいた。
「このお金の入った鞄、忘れ物だよねフガ」
そうだ。
庭子がそう言うや否や、鷹子は鞄の取っ手を嘴に咥えて、
飛行機を追いかけ始めた。
幸い、飛行機はまだ離陸したばかりで、鷹子の飛行能力ではすぐに追いついた。
なんとなく外を見ていたペングヰンは、
鷹子が鞄を咥えて横を飛んでいるのが見えた。
「そうだ、お金を忘れていたペンペン。届けてくれたんだペンペン」
鷹子は、ペングヰンのすぐ横までやってきた。
ペングヰンは、席の横の窓を開けて、「ありがとうーペンペン」と言った。
手を延ばして、鷹子から鞄を受け取ろうとした。
すると、ペングヰンのキャビンアテンダント(CA)がピョンピョンピョンとホッピングして、席の近くまでやってきて、注意した。
「ペンペンペンペン、ペンペンペンペンペンペンペンペンペン。
ペンペンペンペンペンペンペンペンペン」
それに対してペングヰンは答えた。「ペンペンペン・・・」
本当はペングヰン同士、南極語でしゃべっている。
でも、これだと何を言っているのかわからないので、日本語で書こう。
ペングヰンのCA「お客様、只今当機は上昇中ですペンペン。
窓をお閉めくださいペンペン。」
Pen(ペングヰン)「こういうときに開けないでいつ窓を開けるんだよペンペン。」
ペングヰンのCA「お客様、飛行機で窓を開けてはいけませんペンペン。」
Pen(ペングヰン)「じゃあ訊くけど、なんのために飛行機の窓っていうのは、
開くように出来ているんだよペンペン。
開けるなと言うなら、もともと開かないようにしておけよペンペン。」
ペングヰンのCA「では次回から会社にそのように言っておきますので、
とにかく窓は開けないでくださいペンペン」
Pen(ペングヰン)「次回乗るときは窓は開けないから、今回だけ開けさせろペンペン。
そもそも、飛行中に窓を開けないなんていう書類にサインをした覚えはないペンペン。」
ペングヰンのCA「わたくしも、『飛行中に窓を開けることを認めない』なんていう書類にサインをした覚えはございませんペンペン。」
Pen(ペングヰン)「ふっふっふっ、言い間違えたなペンペン。
窓を開けさせてくれたら、札束一つくれてやるペンペン」
Pen(ペングヰン)(窓の外の鷹子に向かって)「もう少しだペンペン」
飛びながら、なんとかペングヰンに鞄を渡そうとする鷹子。
なかなか渡せない。
だけど、もう少しでペングヰンの手が鞄に届きそう。
だが、そのとき、急に変な気流が来て、鷹子が姿勢を崩したと思うと、
鞄がパバッと開いた。
実は、鷹子も慌てていて、鞄がちゃんと閉まっていなかったのだ。
「あああああああああああああああぁぁぁ・・・ペンペン」
鞄の中の札束たちは、ばらばらになって落ちていく。
「ありがとう、お金は日本の鳥たちにあげるよペンペン」
そう言うと、ペングヰンを乗せた飛行機は、ぐぅーんと速度を上げて、行ってしまった。
・・・
ペングヰンのCA「恐れ入りますが、札束お一つ、いただければと思いますペンペン」
お金が落下したときのペングヰンの言葉
バージョン1
「「ありがとう、お金は日本の鳥たちにあげるよペンペン」」
バージョン2
「「こ、こんなお金、・・・僕にとっては、はしたガネだよペンペン」」
【改訂】
本当はペングヰン同士、南極語でしゃべっているから
何を言っているのかわからないので、
日本語で書いておく。
↓
本当はペングヰン同士、南極語でしゃべっている。
でも、これだと何を言っているのかわからないので、日本語で書こう。
鞄の中の札束たちは、ばらばらになって下のほうに落ちてしまった。
↓
鞄の中の札束たちは、ばらばらになって落ちていく。
CA「すみません、札束1ついただきたいと思いますペンペン」
↓
ペングヰンのCA「恐れ入りますが、札束お一つ、いただければと思いますペンペン」




