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ただ一人の無能勇者(凍結)  作者: Yuupon
【一章】神隠しと異世界と勇者達
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[第六話]あり得ない出来事

蓮は今、冷や汗を浮かべている。

顔も、見て分かる程に青ざめているだろう。


自分がこの世界の平均以下のステータスしか無いと分かった蓮は、他にも同じ位の人はいるのでは、と思っていたのだが一人もいないのだ。


例えば瑠花は


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

立花 瑠花 (女) 15歳 レベル:1

職業:勇者

・体力:120・速さ:120

・魔力:180・耐性:120

・攻撃:120・知識:120

・防御:120・手先:120

各種アビリティ

・言語スキル・風、回復、光魔法適性・闇魔法耐性

フォーチュンスキル

・女神の慈愛

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


と表示されていた。どうやら瑠花は魔法使いタイプのようで、魔力が特出しているのが分かる。

しかも一つ一つのステータス全てが蓮の何倍もあった。


紫苑のも見せてもらったが


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

霧咲 紫苑 (女) 15歳 レベル:1

職業:勇者

・体力:130・速さ:130

・魔力:100・耐性:130

・攻撃:130・知識:130

・防御:130・手先:130

各種アビリティ

・言語スキル・水、光魔法耐性・水、光魔法適性・魔法槍・水生成

フォーチュンスキル

・リヴァイアサンの加護

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


と表示されている。

確かリヴァイアサンは海の化け物だった筈だ。だとするとかなりの力なのだろう。


すると


「よし、じゃあウォルレアンス王に報告するからヴァーサタイルカードを見せてくれ」


ブライアス兵士長が勇者一行に声を掛けた。それにヒカル君がいち早く反応する。


「どうぞ」


彼がそう言ってブライアス兵士長に渡したヴァーサタイルカードにはーー。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

大神 ヒカル (男) 15歳 レベル:1

職業:大勇者

・体力:500・速さ:500

・魔力:500・耐性:500

・攻撃:500・知識:500

・防御:500・手先:500

各種アビリティ

・言語スキル・全魔法適性・全魔法耐性・全状態異常耐性・剣術・魔法剣・多重魔法・覚醒

フォーチュンスキル

・神の意志を担う者

・生きとし生けるものの希望

・???

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


完全なチートである。そもそもパラメータがおかしい。レベル1で500ってのは何なのだろうか。

そしてフォーチュンスキルが3つもある。

更にアビリティも完全なチートだ。


やはり皆の前を率先してもはやリーダー的な存在だからだろうか?


「なっ……!?レベル1でステータスが全ステータスが500だと…!?。

しかも職業が大勇者…?しかも一生かけても1つも手に入らないようなフォーチュンスキルが3つだと!?

あ…ありえない…。何だ…この数値は」


ブライアス兵士長が驚きの声を上げる。


確か、ブライアス兵士長のパラメータがレベル143で全て1300らしい。

それを考えるとレベル1で500全パラメータが500のヒカルは凄まじい程にパラメータが高いとは言えるだろう。


それを聞いたヒカル君は真剣な表情でブライアス兵士長に尋ねた。


「俺のステータスって…普通の人よりも圧倒的に高いんですよね…?」


その言葉にブライアス兵士長が頷く。


「あ…あぁ…。勇者でもここまでの数値は無い…。だが…大勇者…。そうかー。

我らがエターナル王が人間族に力を与えて下さったのか…」


何かを理解したようにブライアス兵士長は呟き、感慨そうに言った。


「…どういうことですか?」


ヒカル君が尋ねる。


「かつて…この地を守った初代ドラスト家国王のエターナル王も、君と同じ大勇者だったらしいんだ」


ブライアス兵士長が答える。

なるほど…前にチャールズさんに聞いたエターナル王国建国までの話。


次元を操る力を持っていたという、蒼天の龍ウォシュムガルム。

龍…と呼ぶほどのものを封印したのだから、勇者だったのかなとは思っていたが、大勇者だったのか。


そこまで聞いて蓮は再び自分のパラメータを眺めた。

しかし何度見ても体力が30で後は15。

勇者なのにこの世界の平均のパラメータよりも低い。


蓮が肩を落としてガッカリしている間にも、どんどん確認作業が進んでいる。


蓮はそのステータスを横から見ているが、誰一人としてパラメータが100以下の者がいない。

というよりも殆どが100だった。


意外にも瑠花の120はかなり高いらしい。

当然ながら紫苑もだが。


すると見慣れた人物が現れた。


「確認をお願いします」

「あぁ…えっと…カケル君だね」


白…というよりバニラ色の髪の毛をした少年。昨日は宴会中に見たからよく分からなかったが、少し黄色がかってるから

オフホワイト色だ。


そしてかなりの美少年な見た目。完璧に整っている。


そしてカケルはヴァーサタイルカードを出す。


その瞬間驚くべき事が起こった。

カケルがブライアス兵士長にヴァーサタイルカードを渡そうとした瞬間。


その時チラリとステータスが見えたのだが、その時は


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

風水 翔 (?) 15歳 レベル?

職業:大魔法使い

・体力:1800・速さ:2400

・魔力:8400・耐性:1700

・攻撃:1200・知識:5700

・防御:1600・手先:3500

各種アビリティ

・言語スキル・全魔法適性・全魔法耐性・全状態異常耐性・魔法の同時使用・合体魔法・高速魔力回復

フォーチュンスキル

・大魔法使い

・魔法神

・???

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


と書いてあるのが見えた。

(ーーっ!!?)

俺はあまりのステータスに驚きの声を上げそうになるが、グッとこらえる。


その瞬間ーー!!


ズキッ…。頭が激しく痛んだ。

立っているのがやっとな程の頭痛。


(ガッ…ァァ…!?)

そして蓮は痛みにより声を出そうとするが、声が出ない。

しかし次の瞬間には、痛みが消えた。


「ーーハァッ…ハァッ……」


いきなり痛みが消えたため、張っていた気が一瞬で解ける。それと同時に少し呼吸が乱れた。


そして、カケルのステータスを再び見るとーー。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

風水 カケル (男) 15歳 レベル:1

職業:勇者

・体力:100・速さ:100

・魔力:100・耐性:100

・攻撃:100・知識:100

・防御:100・手先:100

各種アビリティ

・言語スキル・火、光魔法適性・水属性耐性

フォーチュンスキル

・四重結界

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


変わっていた。

ステータスがまるで変わっていた。

全てが1000を超えていたステータスが100になっている。

フォーチュンスキルも先程書いてあったのがどこへやら、別のものへ変化している。


(ど…どういうことなんだよ…これ…っ!)


蓮は心の中で疑問の声を上げる。

しかし返ってくる返事は無い。


「ありがとうございます」


カケルが当たり前のようにヴァーサタイルカードを受け取る。


そして蓮の横を通り過ぎて行ったのだがーーー。


その時、カケルが口の端を釣り上げていることを蓮は見逃さなかった。


「ーーカケ」


蓮はカケルに声を掛けようと、口を開いたが声が急にでなくなる。


カケルは一度だけ振り向いて、含みの笑みを見せた後に背を見せる。

そして片手を上げた後、すぐに降ろしてそのまま歩いて行った。


その時の蓮には、その姿はまるでこれでサヨナラだ…と言われたように感じた。


「待っーー!!」


ガシッ。蓮は走り出そうとするが、不意に背中を掴まれる感覚がした。


振り向くとーー。


「次は君の番だ。ヴァーサタイルカードを見せてくれ」


至って真面目な表情でブライアス兵士長が言う。


「今はそれどころじゃ…!」


蓮は早くカケルを追い掛けたいがために声を上げる。


しかしーーー。


「何処へ行こうと言うんだ。そっちには誰も居ないじゃないか」


ブライアス兵士長が言う。


(ーーーえっーー?)


その言葉に蓮は心の中で驚きの声を上げる。


そして先程までカケルが居た場所を見るとーー。


「居……ない…だと?」


もはやその姿は何処にも無かった。

まるでそこには元々誰も居なかったのように。


(あいつは…なんなんだよ…!?

一体何が…起こったってんだ…!?)


蓮は心の中で動揺の声を上げながらも、ブライアス兵士長にヴァーサタイルカードを取られる。


数値とアビリティを周りの勇者達が見て笑っていたりバカにしていたが、蓮にはそんな事を考えている余裕は無かった。




こんにちは、ゆうポンです!


今回は他の人のステータス公開と、

カケル君の謎ですね。


次回からはしばらく訓練かな?


ただ、幾つか伏線を張りますが。

…もうすでにかなり張ってますが。


まぁともかく、感想や批判などありましたらコメントよろしくお願い致します。


2014年10月19日。修正を加えました

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