表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ一人の無能勇者(凍結)  作者: Yuupon
新たなる冒険と謎
44/52

[第十八話]調査

向かった先は地下の酒場である。

昨日リノンがパーティメンバーに絡まれていた場所だ。いきなり飛び出した蓮だったが、闇雲に探し回わるという強行には出なかった。


それに酒場というものは情報の交換所と言っても過言ではないくらいの場所である。

それ故に情報を期待しての行動だったのだが、はたしてそれは正解であった。


「え?昨日の女の子に絡んでた奴らかい?

確か、今日はサリオスの森の奥に行くって聞いたけど。あ、そうそう。サリオスの森の奥と言えば最近変な小屋が出来たそうなのよ。まぁ中は何も無かったらしいから、行くなら休憩にでも使ったら良いんじゃないかしら?」


酒場の女将さんからの情報。

それを聞いた蓮は確信した。


(その小屋か…ッ!!)


人を攫う。

そういう行動の裏には、必ずその人物を監禁する場所がある。


今回の場合それがサリオスの村にあるとは考え辛い。理由としては、バレる可能性が非常に高いからだ。


攫うということは人目を憚る必要がある。

つまり、見られてはいけないのだ。

そのため村の中でその人物を監禁する場合、村人の目を気にする必要がある。


だが村の外へ出せばもうそこには冒険者くらいしか人は居らず、それも数は非常に少ない。


つまり、十中八九村の外へ出した可能性が高いのだ。


(それに大元であるリノンが攫われたってのは恐らく確実だろう…。あの部屋の状態をみたら丸分かりだ。きっと偽装工作する前に俺が来たんだろう)


間違いない。

リノンはその小屋に連れて行かれている。


(遠紀達を呼んでる暇は…無いか。こんな事してる間にリノンが…!)


縛られているリノンの姿が頭の中に浮かんだ。


「っ!!」


そして蓮は一目散に走り出した。

目指すは村の外。そこで空を飛び空中から探す。


…まだ飛んだことはないがぶっつけ本番だ。

だけど走り回るよりもずっと早いはずだろう。


ーーー


村の外へ出た。一応万が一に備え、村に入った時に居たあの門番さんに伝言を頼んでおく。


内容は、もし帰って来なかったら森の奥の小屋に来てくれ。と言ったモノである。


自分の推理が当たってるかは分からないが、

もし敵が居て、リノンを人質にされたらかなりヤバイ。幾ら何でも認識する前に攻撃したりなのだ蓮も不可能なのである。


だからこその伝言だ。

…本当は遠紀達も呼んだ方が良いのだろうが…。


そして、門番からも一つ証言をもらった。


「変な事?あぁ、そういや冒険者が変な荷車を持って出てったな。人一人入りそうな位の箱とかが幾つか載ってたぜ?」


…その瞬間、蓮の中に構図が完成した。


つまり、こうだ。


恐らくだが、リノンは何らかの理由で追われていたのだろう。そして妹はその人物らに捕まってしまった。

その妹を助けるべく行動していたリノンだったが、その追っ手の追撃が激しく、サリオスの村へ逃れ、力を蓄える事にした。


その時パーティメンバーを作ったのだが、恐らくその人達は追っ手の息がかかった者だったのだろう。

つまり、リノンは騙されてしまったのだ。

そして捕らえられた。


これで全て説明がつく。


「クソっ…もう少し早く知ってれば…!」


だが、悔やんでいても仕方がない。

蓮はリノンを助けるべく、森の方角へと走り出した。


ーーーーー


「良し…この辺りまで来たら大丈夫か」


村を出て5分ほど走り続けた蓮は森の中で呟いた。体力はまだまだイケる。

それに此処まで来れば目撃されたりは無いだろう。


「……うん。行くか…っ!」


その瞬間、蓮は力を解放した。


ファサッと音を立てて天使のような羽根が現れる。それをはためかせ、蓮は一気に空へと急上昇した。


(…グ…MPの消費とGが意外に掛かるな…)


だが、今まで飛んだ事が無かったので分からなかったが、空へと上がると意外にGが身体に掛かった。更にMPも5分…それくらいしかモタなそうだ。


(だけど…そんな場合じゃない。早く見つけないと…)


そして蓮は空から噂の小屋を探すのであった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ