*ばか*
回想終了
『はぁー…』
華南は大きなため息をついた
隼斗が転校するまであと二週間もある
転校するまでめっさ気まずいじゃん(笑)
『は…ははっ』
隼斗とはもともと幼なじみで
あたしなんか恋愛対象外なのに
本気で傷ついたりして笑えてくる
『ポロポロ…』
そう呟いた華南の頬には
たくさんの涙が流れていた
泣いてるのは振られたのが悲しいから?
『…違う』
隼斗と離ればなれになる前に少しでも
隼斗と思い出を作りかったのに______
すこしでも近づきたかったのに______
振られたせいで全部台無しになってしまった
『うぅ…っく…』
こんな事なら告白なんてしなきゃよかった
結局その日は涙が枯れるほど泣いた_____
数日後
隼斗が転校するまであと三日…
隣の家に住んでて幼稚園の頃は
毎日遊ぶのが当たり前になってた
なのに急にいなくなるなんて寂しいよ
『華南!最近元気なくない?』
『そ、そう?元気ないかな?』
『あ〜!隼斗くんのコトでしょ?』
『ち…違うもん!!』
『本当〜?あ!隼斗くん!』
『あぁ…はよ…』
隼斗?!そーだ!せっかく会えたんだから
あいさつしなきゃ!何事もなかったよーに
前みたいに「隼斗!おはよー」って言うんだ!
『は…隼斗…』
『……………』
『フィッ』
完全に無視された
目すら合わせてくれない
『…隼斗の…ばか』
『ちょ!華南!どこ行くの?』
そう呟くと華南は涙目になりながら
履いていた靴を投げ捨て走り去った




