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一日百善されば三膳  作者: お腹弱い虫
霊界のお役所編
7/22

得るべき能の選択について

行き先が決まれば、後は特典だけだ。

必須条件とした特典を取得申請し、魔法が使えるよう特典を検索して貰う。


「では普及率の高いものを四言語、現地人と同程度の免疫力の獲得ですね。

残ポイントは二百五十です。

魔法使用の特典は……まず魔力保有が必須ですね。これがなければ魔法は使えませんので。

肝心の魔法自体は魔法修得系の特典では無く、魔法才能特典をお勧めします。

復活直後に魔法を身に付けているわけではありませんが、才能特典があればその後の修得も可能です」


その発言に俺は首を傾げる。

最初から魔法が使えるなら、それに越した事は無いだろうに。


「何で修得特典じゃだめなんですか?」


「言語修得による脳への負荷がかかるからです。更に魔法修得をしようとしても、精々が一つか二つの魔法を覚える程度。

それならいっそ魔法の才能にポイントを振る方が良いでしょう」


「ポイントを振る?」


「はい。才能系特典の場合、何ポイントつぎ込むかで才能の大きさ、上限が変わります。

参考までに……優秀とされる魔法の使い手に並ぶ才能を取得するには五十ポイント程、一流と評される人なら七十ポイントですね」


「……分かりました。魔力の獲得に必要なポイントっていくつです?」


「三十ポイントです。更に保有する魔力の量を求めるなら、こちらもポイントを上乗せして下さい。

一流クラスなら百ポイントです」


魔力という言葉をイメージ通りに解釈するなら所謂MPだろう。

そうであるなら大いに越した事は無い。


「魔力って所謂MPって解釈で良いんですよね?」


「はい。それで間違い御座いません」


「量の多寡による弊害は? 例えば、魔力が多いと心身に影響が出るとか」


「無いですね。少なくとも人間という種族が保有できる上限を超えなければ、無いと断言できます」


成る程。

これは恐らく、ポイントが振れる特典に共通する点だろう。

種族としての上限と、ポイント振りによる深化。

確かに僅かな魔法を覚えるよりは高い才能の方が後に生きるか。


「魔力保有を一流で。それと、魔法の才能も」


「畏まりました。では残り八十ポイントはどうしますか?」


しかし何があるか分からない異世界。すぐにも使える防衛手段は欲しい。


「低ポイントで取得できて、強い魔法って無いですか?」


「才能に振ったんでは?」


怪訝な顔で、こちらを覗き込む鬼女に、防衛手段ですと俺は告げる。


「でしたら……三十ポイン辺りでで取得できて効果の高い魔法を……ありました。

指先からレーザーを放つ魔法。如何ですか?」


「指先からレーザー、ですか」


思った以上に攻撃的な魔法を勧められたが、防衛手段としては悪くない。かっこいいし。攻撃的なチョイスは彼女の性格もあっての事だろう。


「それでお願いします。あとはーー」


どうするかな。残りポイント五十。

中世文明に行くなら体力や身体能力の底上げをしておきたいが、商売や交渉能力などの才があれば生活基盤を整え易いかもしれない。

しかし魔法が重要な位置を占める世界なら、一流の魔力と才能で身を立てる事もできるか?


「ーー身体能力が上がる特典が良いですね」


しかしここで、鬼女が難しい顔をする。


「身体能力を向上させる特典は無数にありますが、一部の能力ーー脚力や腕力だけを強化する物がほとんどでして。

全体的に高めるとなると必要ポイントが高いんですよ。

それなら武道やスポーツの才能特典を取得した方が良いかもしれないですね。関連した身体能力も上がり易くなりますし」


「武道ですか……」


結果的に上げやすいなら、武道の才能も良いだろう。パッと思いつくのは学生時代に授業で受けた剣道と柔道くらいか。


「じゃあ剣術の才能とかがあれば」


「畏まりました。『剣士の才能』に五十ポイント全て振って宜しいですか?」


頷くと、取得申請した特典とその必要ポイントの示された表が機器に浮かび上がった。


「内容に間違いはありませんか? 良ければ特典が決定します」


間違い無く、選んだ特典だった。

大丈夫だと伝えると、機器から一枚の紙が吐き出される。


「それではこちらをお持ちになって向かって左の扉へお進み下さい」


窓口から一歩離れて、列をなしていた転生グループが消えている事に気付く。

どうやら俺だけが長い時間をかけてしまったようだ。


「色々とありがとうございました。また来世を終えたら宜しくお願いします」


世話になった鬼女に感謝を伝えれば、表情を歪められる。このしかめっ面も最早見慣れたものだ。


「……異世界は担当支部が違いますので」


最後の最後までらしい彼女。

連れない返事に笑顔を返し、扉へと歩を進めた。

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