動物大会
掲載日:2026/10/31
二作目です。
あるとき、すべての動物を戦わせて強さを競う、動物大会が開かれた。私はその大会に、人間として参戦した。
第一回戦はアリ対ゾウだった。見るからに弱そうなアリを見て、ゾウはこう言った。
「こんな小さいムシケラと、戦う必要なんてねぇよ!!」
その言葉は物議をかもした。虫たちの反感を買い、ゾウは様々な虫から誹謗中傷されることとなった。しかし、体の大きい動物は、言い方は悪いが小さい動物を殺しちゃうかもしれないとのことで、ゾウを支持した。
様々な動物たちが争いを始めたが、私はこの騒動を鼻で笑っていた。なぜなら、どちらの意見にも一理があり、賛成も反対もできなかったからだ。
しだいに動物たちは疲れ、力尽きていった。そして最終的に、私が百獣の王となった。
そのとき初めて、なによりみじめでムシケラだったのは、何の意見も提示できず、ただ縮こまることしかできない私自身であったと気づいた。




