96/178
12-9
(本当に、月宮先輩がうちにきちゃったよ……)
想定していなかった急展開に、俺はついていけず頭を抱えた。
(嫌なわけじゃないんだけど、なんかむず痒いというか……)
月宮先輩は学園の有名人で、入学してすぐに存在は知っていたが、話したのは昨日が初めて。
なのに、お昼を一緒に食べて、放課後には家に寄る。
(俺……。もしかして、友達ができたつもりになって、浮かれてるのかな……)
三年前、桜の花びらが散って葉桜に変わりきった頃。
母が突然帰らぬ人となり、俺は一人残された父の助けになりたいと、友達と遊んだり部活にも入らず、真っ直ぐ家に帰ってきては双子の面倒を見ていた。
次第に付き合いが悪いと、友達が一人、また一人と減っていき、いつのまにか友達といえる存在は、俺の周りからいなくなっていた。
下記サイト(ネオページ)にて先行連載中
https://www.neopage.com/book/30066806720040200
!!スマホ対応済!!
登録不要 無料でお読みいただけます




