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12-9

(本当に、月宮先輩がうちにきちゃったよ……)


 想定していなかった急展開に、俺はついていけず頭を抱えた。


(嫌なわけじゃないんだけど、なんかむず痒いというか……)


 月宮先輩は学園の有名人で、入学してすぐに存在は知っていたが、話したのは昨日が初めて。


 なのに、お昼を一緒に食べて、放課後には家に寄る。


(俺……。もしかして、友達ができたつもりになって、浮かれてるのかな……)


 三年前、桜の花びらが散って葉桜に変わりきった頃。


 母が突然帰らぬ人となり、俺は一人残された父の助けになりたいと、友達と遊んだり部活にも入らず、真っ直ぐ家に帰ってきては双子の面倒を見ていた。


 次第に付き合いが悪いと、友達が一人、また一人と減っていき、いつのまにか友達といえる存在は、俺の周りからいなくなっていた。


下記サイト(ネオページ)にて先行連載中

https://www.neopage.com/book/30066806720040200

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