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「ねー、ねー。えいとおうじー、はやくおうちにはいろうよー」
「はいろうよー。りおくんに、おいていかれちゃうよー」
「あっ、ああ……」
月宮先輩は双子に手を引かれ、俺を追いかけるように、わずかにある玄関アプローチを抜け、扉を開けて中に入る。
月宮先輩より先に双子は靴を脱いで揃えると、手を大きく広げて月宮先輩を歓迎した。
「じゃじゃーん。ようこそ、えいとおうじー」
「ようこそー」
そんな双子に、月宮先輩は困惑しながらも嬉しそうに笑っているように、洗面台から手を洗い終えて玄関に戻ってきた俺には見えた。
「ほら、帰ったらまず手洗いとうがいの約束だろ。月宮先輩を案内してあげて」
「はーい」
「えいとおうじー、こっちだよー。はやくー」
双子に催促され、慌てて靴を脱いだ月宮先輩は、双子に手を引かれながら一階の廊下の奥にある洗面所に連れていかれた。
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