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「さーて、飯だー。めしー」
フェンスに囲まれた屋上の床に座り、俺の横で嬉しそうに弁当を広げる和兄こと、波多野和也は、俺の一つ上の先輩だが、昼休みは俺といつも屋上で弁当を食べている。
幼い頃、家が近所だった和兄は、俺と弟の那央といつも一緒に遊んでくれていた。
だが、和兄が急に引っ越してしまって、それ以来会う機会がなくなってしまっていたが、偶然この月宮学園で再会した。
昔からカッコよかった和兄は、運動部をいくつも掛け持つ類まれな運動神経の持ち主で、肩幅の広いガッチリとした体格だけでなく、顔立ちがはっきりして短髪の容姿は、爽やかという言葉がこんなにも似合う人を見たことがないって思うほどだ。